この度、玄武書房は、新刊「当事者中心の精神看護:脳科学・心理学的視点からの実践」を2022年8月12日  に発売しました。
世界の精神医療では『パーソナルリカバリー』が重視されるなか、人権侵害を伴う『行動制限』が主流である日本の精神医療を根本から見直すきっかけになる一冊です。

「当事者中心の精神看護:脳科学・心理学的視点からの実践」
Amazon:
楽天:https://books.rakuten.co.jp/rb/17250727/

■書籍タイトル
「当事者中心の精神看護:脳科学・心理学的視点からの実践」
著者:浅野暁子
8月12日  、全国販売開始
<本文と画像>
https://genbu-shobo.com/pr20220812/

■「当事者中心の精神看護:脳科学・心理学的視点からの実践」について

世界の精神医療は、深刻な人権侵害を伴う“治療”から、当事者の人権擁護を基本とした当事者中心の支援による【パーソナルリカバリー】へと転換してきている。

子ども期の逆境体験(虐待など)から生じる脳の形態的変化は、ストレス反応障害や精神疾患の発症と高い関連性がある。
長期におよぶ過大なストレス負荷によって“脆弱な脳になる”のであれば、その逆に『パーソナルリカバリー』によって“脳の回復を促進する”可能性も考えらえる。

脳の神経伝達物質の調整は、薬物療法だけではなく、心理・社会的観点からの適切なアプローチがより包括的に脳内の神経伝達物質を調整している可能性がある。

ストレスの観点から関わっていけば、必然的に当事者の人生を尊重した『当事者中心の支援』となり、精神疾患は“その人の人生の一部”となる。
ヘルスケアの中心に「病気」ではなく「ヒト全体」をおくことで、生物心理社会的モデルの実現になり、世界では重症者が地域で生活できるなど成功例がある。

しかし、『日本』の精神医療は“治療”へのこだわりから、いまだ強制と人権侵害に依存している。
常態化した“行動制限”により、当事者に過大なストレス負荷を与え続け、暴力が暴力を生む構造を生み出しているのが現状である。
精神医療の先進国では、すでに力によって相手をコントロールしようとすることから脱却し、科学的なアプローチにより人権擁護の精神医療へと移行している。

本書では、精神看護師である著者が、臨床における疑問から、脳科学・心理学を中心とするエビデンスをつなぎ、人権擁護を基本とする精神医療が実現できることを示している。

<目次概要>

第1章 ストレス
1-1.ストレス脆弱性モデル
1-2.ストレスに対する生体反応
1-3.ストレスに関する脳の反応
1-4.長期のストレス負荷によるヒトの脳に対するダメージ
1-5.行動制限というストレス負荷
1-6.精神科看護師による管理的介入の弊害

第2章 価値観と主体性に基づく看護
2-1.パターナリスティックな治療から当事者中心の支援への転換
2-2.当事者中心の支援-ストレス予防からリカバリーまで
2-3.心理・社会学的スキル
2-4.科学的アプローチ
2-5.世界の当事者中心とする支援の広がり
2-6.パーソナルリカバリー
2-7.人権
2-8.アイヒマンの実験-権威への服従

第3章 精神科看護師の専門性
3-1.ストレス分野の専門性
3-2.これまでの精神科看護の中心理論-セルフケア理論
3-3.これまでの精神科看護の中心理論-精神分析理論

■著者:浅野暁子
1993年-看護師免許取得
2013年-愛知県立大学教育福祉学部教育発達学科卒
2015年-名古屋大学大学院情報科学研究科メディア科学専攻認知情報論講座修士課程修了
2015年から精神病院にて病棟看護師として勤務
現在-東京都立大学大学院人文科学研究科心理学教室博士課程在籍中(出版時)

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