11月15日  は口腔がん検診の日
        ―年々増えている口腔がんへの取り組み―


 がんは日本人の死亡原因のトップです。その中で、口腔・咽頭がんで2024年に2025年11月14日(金)  死亡した方は8580人でした。近年、多くの啓蒙活動のおかげで口腔がんは徐々に認知されてきていますが、欧米ほど死亡率を減少させることはできていません。私達は、口腔がんの早期発見、早期治療の有効性を、国民にもっと知っていただくことが重要だと考えております。

 公益社団法人東京都玉川歯科医師会(以下、本会)におきましては、口腔がんの啓蒙活動として平成14年に独自事業「レッド&ホワイトリボン運動」を開始し、平成20年11月15日  の日本歯科医学会総会において、口腔がん撲滅運動のシンボルとして「レッド&ホワイトリボン運動」を発表し、賛同を得ました。それを記念して「11月15日  は口腔がん検診の日」と制定し、多くの国民に周知されるよう活動しております。また、「レッド&ホワイトリボン運動」に賛同してくださっている企業・団体・個人の方に、本会が制作したレッド&ホワイトリボンマークを名刺やホームページで使用していただき、リボンバッジやマグネットを活用してこの運動に参加頂いております。

 本会独自の事業として「玉川方式」と銘打った口腔がん検診を全国に先駆けて実施してまいりました。「玉川方式」では、本会会員の各診療所で随時口腔がん検診を受け付けており、どなたでもいつでも何度でも受診できる仕組みになっています。この事業は平成21年6月より日本で初めて自治体(世田谷区)の受託事業に認められ、その結果、令和7年3月までに6720名の方が検診を受けられましたし。その結果、26名の口腔がんを早期発見することができ、適切な治療により命をつなぐことができました。

 がんの検診と聞くと、何をするのか不安に感じる方がいらっしゃるかもしれません。口腔がん検診では、普段歯科医院で受ける定期検診とは違い、粘膜に特化した検診を行います。粘膜が健康できれいな方でも受けられます。いつも気になっている些細なこと、心配なところはないけれどこのままでも大丈夫なのか、などを質問できる機会にもしていただけます。口腔がん検診を担当する歯科医師は、毎年講習を受講することが義務付けられ、常に情報をアップデートするために研鑽を重ねています。検診にあたっては、患者さんから気になることをよく聞いて(問診)、お口の中の粘膜をくまなく見て(視診)、触って(触診)、診察します。疑わしい部分があれば擦過細胞診を行います。擦過細胞診とは、やわらかいブラシで粘膜の表面をやさしく擦り細胞を採取する方法です。採取した細胞検体を専門機関に送って病理検査を行い、後日結果をご報告いたします。より専門的な診察が必要な場合は、大学病院の口腔外科など専門外来へご紹介させていただきます。



 「レッド&ホワイトリボン運動」が国民に広く周知されることでることにより、お口の中にも「がん」ができること、「口腔がん」は検診で発見されやすいことを知っていただきたいと思います。口腔内環境を整える・口腔内のチェックを習慣化する・気になる症状があれば歯科医院へ行く、この3つを心掛けることで口腔がんの死亡率を確実に減少させることができます。早期の発見・早期治療により後遺症もほとんど残らず5年生存率が90%を上回るとの報告もなされています。

 最後に、レッド&ホワイト(赤色と白色)の由来ですが、口腔がんを疑う症状の一つに炎症があげられ、その中でも赤い部分と白い部分の混在する炎症は特に注意が必要とされています。また、お口の中は歯肉や頬、舌などの赤い組織と白い組織である歯で構成されていることから、レッド&ホワイトと口腔内とのつながりに気づいていただきやすいのではとの思いで考案されました。

 この度は本リリースをお読み頂きありがとうございました。誠に恐縮ではございますが、以上の主旨をお汲み取り頂き、多くの国民の方やそのご家族が「口腔がん」で苦しみ・悲しむことの無いよう、一人でも多くの方への啓発にご協力賜れば幸いに存じます。



👤 発行者について

公益社団法人東京都玉川歯科医師会

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