2025/01/18 03:28
水産加工/食料品/飲料/酒類

<発表のポイント>
・生物には特定の栄養素の摂りすぎを防ぐシステムが備わっている。
・モデル生物キイロショウジョウバエの腸内分泌細胞の一部が高タンパク質食に反応することを発見した。
・その腸内分泌細胞はCCHa1というホルモンを産生して摂食量を調節していた。
・CCHa1は腸へと伸びる神経に作用して高タンパク質食の過剰な摂食を防いでいた。
・CCHa1の作用を失うと、高タンパク質食を過剰に摂取し栄養バランスの破綻に至ることが判明した。
・腸ホルモンによる摂食制御が特定の栄養素に対する食欲を調節していることが示唆された。
◆概 要
群馬大学生体調節研究所(群馬県前橋市)の吉成祐人助教、西村隆史教授と筑波大学生存ダイナミクス研究センターの丹羽隆介教授、岡山大学学術研究院環境生命自然科学学域の吉井大志教授らの研究グループは、モデル生物であるキイロショウジョウバエを用いて、過剰なタンパク質摂食を防ぐ仕組みの一端を解明しました。
生物は摂取した栄養素を体内で感知し、足りない栄養素を補うように食物を選択することで栄養バランスを保っています。このためには、栄養素のバランスを感知するシステムと、その情報を食物の選択へと出力するシステムの双方が必要であると考えられますが、その仕組みについては不透明でした。
今回、研究チームは、キイロショウジョウバエの腸内分泌細胞から分泌される腸内分泌ホルモンCCHa1がタンパク質に対する食欲を抑制することを明らかにしました(図)。腸内分泌細胞から分泌されたCCHa1は、腸へと伸びる神経により受け取られ、味覚神経へと情報を伝達することによりタンパク質の過剰な摂取を防ぐことが判明しました。さらに、CCHa1シグナルが正常に機能しないと、キイロショウジョウバエは高タンパク質食を過剰に摂取してしまい、有害なアンモニアを体内に蓄積してしまうことが明らかになりました。
本研究成果により、摂食障害や偏食といった疾患に腸内分泌ホルモンが関与する可能性が示唆され、今後腸内分泌ホルモンをターゲットとした治療が期待されます。
研究成果は2024年12月30日 、英国科学誌「Nature Communications」オンライン版に掲載されました。
◆論文情報
論文名:A high-protein diet-responsive gut hormone regulates behavioural and metabolic optimization in Drosophila melanogaster
論文著者:吉成祐人1,2*、西村隆史1*, 吉井大志3, 近藤周4,5, 谷本拓6, 小林朋絵7, 松山誠7, 丹羽隆介2*
(1.群馬大学生体調節研究所個体代謝生理学分野、2.筑波大学生存ダイナミクス研究センター、3.岡山大学大学院環境生命科学研究科、4.東京理科大学先進工学部生命システム工学科、5.国立遺伝学研究所、6.東北大学生命科学研究科、7.重井医科学研究所、*: 責任著者)
掲載誌:Nature Communications(Springer Nature社:英国)
公開日:2024年12月30日
URL: https://www.nature.com/articles/s41467-024-55050-y
doi: 10.1038/s4
0-y
◆研究資金
本研究は、日本学術振興会(JSPS)研究活動スタート支援(課題番号:22K20649)、科学研究費補助金基盤研究(B)(課題番号:19H03265)、科学研究費補助金基盤研究(A)(課題番号:22H00414)、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)革新的先端研究開発支援事業(AMED-CREST)(課題番号:20gm1110001)、筑波大学TARAプロジェクトによる支援を受けて、主に群馬大学および筑波大学において行われました。
◆詳しい研究内容について
腸内分泌ホルモンによる摂食嗜好性の調節〜タンパク質の摂りすぎを防ぐメカニズムと重要性〜
https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r6/press20250110-1.pdf
◆本件お問い合わせ先
群馬大学 生体調節研究所 個体代謝生理学分野 教授 西村 隆史
TEL:
群馬大学 昭和地区事務部総務課 研究所庶務係長 富澤 一未
TEL:
筑波大学 生存ダイナミクス研究センター 生理遺伝学研究プロジェクト 教授 丹羽 隆介
TEL:
筑波大学 広報局 報道担当
TEL:
岡山大学 総務・企画部 広報課
TEL:
<岡山大学の産学官連携などに関するお問い合わせ先>
岡山大学研究・イノベーション共創機構 産学官連携本部
〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
TEL:
E-mail:sangaku◎okayama-u.ac.jp
※ ◎を@に置き換えて下さい
https://www.orsd.okayama-u.ac.jp/
<岡山大学の研究機器共用(コアファシリティ)などに関するお問い合わせ先>
岡山大学研究・イノベーション共創機構 機器共用推進本部
〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
TEL:
、
FAX:
E-mail:cfp◎okayama-u.ac.jp
※ ◎を@に置き換えて下さい
https://fspp.kikibun.okayama-u.ac.jp/
<岡山大学のスタートアップ・ベンチャーなどに関するお問い合わせ先>
岡山大学研究・イノベーション共創機構 スタートアップ・ベンチャー創出本部
〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
E-mail:start-up1◎adm.okayama-u.ac.jp
※ ◎を@に置き換えて下さい
https://venture.okayama-u.ac.jp/
国立大学法人岡山大学は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を支援しています。また、政府の第1回「ジャパンSDGsアワード」特別賞を受賞しています。地域中核・特色ある研究大学として共育共創を進める岡山大学にご期待ください
岡山大学 文部科学省「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」に採択~地域と地球の未来を共創し、世界の革新の中核となる研究大学:岡山大学の実現を加速とともに世界に誇れる我が国の研究大学の山脈を築く~
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001935.000072793.html
・生物には特定の栄養素の摂りすぎを防ぐシステムが備わっている。
・モデル生物キイロショウジョウバエの腸内分泌細胞の一部が高タンパク質食に反応することを発見した。
・その腸内分泌細胞はCCHa1というホルモンを産生して摂食量を調節していた。
・CCHa1は腸へと伸びる神経に作用して高タンパク質食の過剰な摂食を防いでいた。
・CCHa1の作用を失うと、高タンパク質食を過剰に摂取し栄養バランスの破綻に至ることが判明した。
・腸ホルモンによる摂食制御が特定の栄養素に対する食欲を調節していることが示唆された。
◆概 要
群馬大学生体調節研究所(群馬県前橋市)の吉成祐人助教、西村隆史教授と筑波大学生存ダイナミクス研究センターの丹羽隆介教授、岡山大学学術研究院環境生命自然科学学域の吉井大志教授らの研究グループは、モデル生物であるキイロショウジョウバエを用いて、過剰なタンパク質摂食を防ぐ仕組みの一端を解明しました。
生物は摂取した栄養素を体内で感知し、足りない栄養素を補うように食物を選択することで栄養バランスを保っています。このためには、栄養素のバランスを感知するシステムと、その情報を食物の選択へと出力するシステムの双方が必要であると考えられますが、その仕組みについては不透明でした。
今回、研究チームは、キイロショウジョウバエの腸内分泌細胞から分泌される腸内分泌ホルモンCCHa1がタンパク質に対する食欲を抑制することを明らかにしました(図)。腸内分泌細胞から分泌されたCCHa1は、腸へと伸びる神経により受け取られ、味覚神経へと情報を伝達することによりタンパク質の過剰な摂取を防ぐことが判明しました。さらに、CCHa1シグナルが正常に機能しないと、キイロショウジョウバエは高タンパク質食を過剰に摂取してしまい、有害なアンモニアを体内に蓄積してしまうことが明らかになりました。
本研究成果により、摂食障害や偏食といった疾患に腸内分泌ホルモンが関与する可能性が示唆され、今後腸内分泌ホルモンをターゲットとした治療が期待されます。
研究成果は2024年12月30日 、英国科学誌「Nature Communications」オンライン版に掲載されました。
◆論文情報
論文名:A high-protein diet-responsive gut hormone regulates behavioural and metabolic optimization in Drosophila melanogaster
論文著者:吉成祐人1,2*、西村隆史1*, 吉井大志3, 近藤周4,5, 谷本拓6, 小林朋絵7, 松山誠7, 丹羽隆介2*
(1.群馬大学生体調節研究所個体代謝生理学分野、2.筑波大学生存ダイナミクス研究センター、3.岡山大学大学院環境生命科学研究科、4.東京理科大学先進工学部生命システム工学科、5.国立遺伝学研究所、6.東北大学生命科学研究科、7.重井医科学研究所、*: 責任著者)
掲載誌:Nature Communications(Springer Nature社:英国)
公開日:2024年12月30日
URL: https://www.nature.com/articles/s41467-024-55050-y
doi: 10.1038/s4

◆研究資金
本研究は、日本学術振興会(JSPS)研究活動スタート支援(課題番号:22K20649)、科学研究費補助金基盤研究(B)(課題番号:19H03265)、科学研究費補助金基盤研究(A)(課題番号:22H00414)、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)革新的先端研究開発支援事業(AMED-CREST)(課題番号:20gm1110001)、筑波大学TARAプロジェクトによる支援を受けて、主に群馬大学および筑波大学において行われました。
◆詳しい研究内容について
腸内分泌ホルモンによる摂食嗜好性の調節〜タンパク質の摂りすぎを防ぐメカニズムと重要性〜
https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r6/press20250110-1.pdf
◆本件お問い合わせ先
群馬大学 生体調節研究所 個体代謝生理学分野 教授 西村 隆史
TEL:

群馬大学 昭和地区事務部総務課 研究所庶務係長 富澤 一未
TEL:

筑波大学 生存ダイナミクス研究センター 生理遺伝学研究プロジェクト 教授 丹羽 隆介
TEL:

筑波大学 広報局 報道担当
TEL:

岡山大学 総務・企画部 広報課
TEL:

<岡山大学の産学官連携などに関するお問い合わせ先>
岡山大学研究・イノベーション共創機構 産学官連携本部
〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
TEL:

E-mail:sangaku◎okayama-u.ac.jp
※ ◎を@に置き換えて下さい
https://www.orsd.okayama-u.ac.jp/
<岡山大学の研究機器共用(コアファシリティ)などに関するお問い合わせ先>
岡山大学研究・イノベーション共創機構 機器共用推進本部
〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
TEL:


FAX:

E-mail:cfp◎okayama-u.ac.jp
※ ◎を@に置き換えて下さい
https://fspp.kikibun.okayama-u.ac.jp/
<岡山大学のスタートアップ・ベンチャーなどに関するお問い合わせ先>
岡山大学研究・イノベーション共創機構 スタートアップ・ベンチャー創出本部
〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
E-mail:start-up1◎adm.okayama-u.ac.jp
※ ◎を@に置き換えて下さい
https://venture.okayama-u.ac.jp/
国立大学法人岡山大学は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を支援しています。また、政府の第1回「ジャパンSDGsアワード」特別賞を受賞しています。地域中核・特色ある研究大学として共育共創を進める岡山大学にご期待ください
岡山大学 文部科学省「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」に採択~地域と地球の未来を共創し、世界の革新の中核となる研究大学:岡山大学の実現を加速とともに世界に誇れる我が国の研究大学の山脈を築く~
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001935.000072793.html