高齢者を“弱者”と認識しているのは、50歳代。
「親の衰え」に直面する年代に、悩みや不安が顕著。
~ 『高齢者のありよう、役割に関する調査』 ~

老後のライフスタイルの充実や、高齢者の自立について調査・研究・提言す
る、特定非営利活動法人「老いの工学研究所」(大阪市中央区、理事長:西澤
一二)は、『高齢者のありよう、役割に関する調査』を実施し、20歳代~60歳
代まで325名の回答を得ました。その結果の一部がまとまりましたのでお知ら
せ致します。

『50歳代がもっとも、高齢者を“弱者”と認識』
「高齢者は弱者か」「保護・優遇すべき対象か」についての質問に対し、肯定
(「そうだ」「ややそうだ」の合計)、否定(「そうでない」「ややそうでな
い」の合計)した割合は、年代別に次の通りとなりました。


①高齢者は経済的に弱者である  
    肯定  否定
20歳代 30.0% 70.0%
30歳代 27.0% 73.0%
40歳代 36.8% 63.2%
50歳代 54.7% 45.3%
60歳代 42.9% 57.1%


②高齢者は健康面において弱者である
    肯定  否定
20歳代 85.0% 15.0%
30歳代 81.0% 19.0%
40歳代 86.1% 13.9%
50歳代 93.8% 6.3%
60歳代 57.1% 42.9%


③高齢者は保護されるべき対象だ
    肯定  否定
20歳代 70.0% 30.0%
30歳代 58.7% 41.3%
40歳代 68.8% 31.3%
50歳代 84.4% 15.6%
60歳代 50.0% 50.0%

④公的制度において高齢者を優遇しすぎだ
    肯定  否定
20歳代 57.5% 42.5%
30歳代 55.6% 44.4%
40歳代 55.6% 44.4%
50歳代 35.9% 64.1%
60歳代 64.3% 35.7%


⑤民間サービスで高齢者の割引制度などが多すぎる
    肯定  否定
20歳代 42.5% 57.5%
30歳代 50.8% 49.2%
40歳代 46.5% 53.5%
50歳代 39.1% 60.9%
60歳代 57.1% 42.9%

高齢者を経済的に弱者だと回答した人が、そうでないとした人を上回ったの
は、50歳代のみ。健康面でも他の世代に比べて弱者だと考える傾向にありまし
た。これを裏付けるように50歳代は、高齢者を保護すべき対象だと考える人の
割合が最も多く、公的制度や民間サービスで「高齢者を優遇しすぎだ」とした
人の割合も、唯一、30%台に留まりました。
50歳代は、親が後期高齢者になる世代であり、親の衰えを実感し始め、老後を
支えることに対して漠然とした不安や悩みを持つようになるためではないかと
考えられます。また、60歳代で数値が戻るのは、親ではなく、自分自身の問題
として捉えるようになるからだと考えられます。



【調査概要】
・調査期間:2014年1月10日  ~1月20日  
・調査方法:インターネット
・回答者 :20歳~66歳の男女325名(男性200名/女性125名)

なお、この『高齢者のありよう、役割に関する調査』では全部で27の設問があ
り、来月には、70歳代・80歳代が多い、当研究所のモニター会員 約1万人に対
して同じ内容のアンケートを実施いたします。今回より上の世代からの回答を
得ることにより、別の観点から世代間の認識ギャップを浮き彫りにし、発表す
る予定です。



【本件に関する問い合わせ先】
NPO法人 老いの工学研究所
大阪市中央区伏見町四丁目2番14号 藤村御堂筋ビル4階
研究員:川口雅裕
mail:
TEL:

このプレスリリースを 
PDFでダウンロードする or QRコード印刷する


👤 発行者について

NPO法人・老いの工学研究所

前へ | 次へ