<発表のポイント>
・拒食症に悩む家族の「パートナー」: 家庭で直面する困りごとに24時間いつでも利用できる、家族療法実施支援に特化した生成AIボットを開発しました(私たちの知る限り同種の取り組みとして初)。
・専門家評価による「安全性・妥当性」: 専門医らによるテストで、AIの回答の9割以上が「適切で安全」であると判定されました。
・支援の空白を埋める技術: 医療者に相談が難しい時間帯などに、AIが家族の味方として相談に対応し、即座に適切な声かけや対処法を提案します。


◆概 要
 「神経性やせ症」は、極端に体重が減り、命に関わることもある深刻な病気です。特に10代の子どもに増えており、若年者の治療では、お父さんやお母さんが家庭での食事を主導して支える「家族療法(FBT:Family Based Treatment)」がもっとも効果的とされています。しかし、毎食時に子どもが激しく泣き叫んだり、食べることを強く拒んだりする中で再栄養を支え続けることは、家族にとって想像を絶する負担です。診察のない夜間や休日、目の前の食事をどう勧めればよいかを悩む家族は多く、治療を諦めてしまうケースも少なくありません。

 そこで、国立大学法人岡山大学(本部:岡山市北区、学長:那須保友)の学術研究院医歯薬学域(医)医療情報化診療支援技術開発講座の長谷井嬢教授(整形外科)は、岡山大学病院小児心身医療科と連携し、子どもを支える家族を支援するために、家族療法(FBT)の専門知識を学習したAIチャットボットを開発しました。AIが「医療の空白」を埋めるパートナーとなることで、家族の心の負担を減らし、子どもたちの回復を後押しします。


 このAIは将来的な臨床利用を目指し、2026年2月  より段階的に患者さんご家族の試用を経て、システムの精度をさらに高める開発を実施予定です。本開発は、現在強く求められている生成AIの医療応用推進に寄与し、医療を補完するデジタル・トランスフォーメーション(DX)の象徴的なモデルとなります。

 本情報は、2026年1月30日  に岡山大学で開催された2026年1月  定例記者会見において公開されました。


◆長谷井嬢教授からのひとこと
 神経性やせ症の治療において、保護者は『回復を支える最大の味方』ですが、同時にもっとも過酷な状況に置かれています。食卓での激しい葛藤に直面したとき、深夜や休日であっても、すぐに適切な声かけや対処法を提案してくれる存在があれば、家族にとって大きな支援になるのではないかと考え、小児心身医療科と連携して開発しました。
 本システムは単に情報を与えるだけでなく、日々治療に取り組むご家族の感情に寄り添い、エンパワメント(勇気づけ)を行う独自のアルゴリズムを搭載しています。
 今後効果実証を行う予定で、診療に利用できるのはまだ先ですが、AIが医療の空白を埋めることで、より多くの子どもたちが家族とともに回復への道を歩めるよう、今後も臨床実装に向けた研究を加速させていきます。


◆研究資金
 本研究は、公益財団法人三島海雲記念財団、公益財団法人明治安田こころの健康財団、公益財団法人橋本財団、JSTスタートアップ・エコシステム共創プログラム(PSI2025_S2B71) の支援を受けて実施しました。


◆詳しい研究内容について
 神経性やせ症の家族療法(FBT)に特化した支援AIを開発-家庭での「支援の空白」を埋める新たな試み-
 https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r7/press20260130-2.pdf


◆参 考
・岡山大学病院
 https://www.okayama-u.ac.jp/user/hospital/


◆参考情報
・【岡山大学】乳がん患者さんの「心の支え」を目指したAIピアサポーターを開発
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000003691.000072793.html
・“つらい”を“楽しい”に変える! VRリハビリを岡山大学と日本電子専門学校が共同開発〔岡山大学, 日本電子専門学校〕
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000003380.000072793.html
・【岡山大学】地域格差を超えたLGBTユース支援にメタバースが有効であることを世界初実証
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000003196.000072793.html
・【岡山大学】メタバースで広がるサンタの想い ~岡山大学とプロジェクトサンタが贈る新しい病院チャリティー~
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002631.000072793.html
・【岡山大学】長期療養生徒の教育を変革するために岡山大学とベネッセ社が連携
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002468.000072793.html
・【岡山大学】メタバースが医療を変える~岡山大学とクラスター社が挑む患者支援~
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002405.000072793.html
・【岡山大学】AIを活用したメンタルケアサポートシステムを開発 ~患者さんとの対話で心に寄り添うAI~
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002299.000072793.html
・【岡山大学】国内初!生成AIチャットボットによる介護保険説明で理解をサポート!
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001966.000072793.html
・【岡山大学】LGBTの子ども・若者達を孤独から救う!~メタバースを用いた新しい交流システムの構築~
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001767.000072793.html
・【岡山大学】岡山大学病院 遠隔地の希少がん患者と家族をつなぐメタバース運用を開始
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001561.000072793.html


◆本件お問い合わせ先
 岡山大学 学術研究院 医歯薬学域(医) 医療情報化診療支援技術開発講座 教授 長谷井 嬢
 〒700-8558 岡山県岡山市北区鹿田町2-5-1 岡山大学鹿田キャンパス
 TEL:
 https://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id1495.html

<岡山大学の産学官連携などに関するお問い合わせ先>
 岡山大学研究・イノベーション共創機構 産学官連携本部
 〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
 TEL:
 E-mail:sangaku◎okayama-u.ac.jp
     ※ ◎を@に置き換えて下さい
 https://www.orsd.okayama-u.ac.jp/

国立大学法人岡山大学は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を支援しています。また、政府の第1回「ジャパンSDGsアワード」特別賞を受賞しています。地域中核・特色ある研究大学として共育共創を進める岡山大学にご期待ください

岡山大学 文部科学省「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」に採択~地域と地球の未来を共創し、世界の革新の中核となる研究大学:岡山大学の実現を加速とともに世界に誇れる我が国の研究大学の山脈を築く~
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001935.000072793.html



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