山形県各地に点在する “姥神(うばがみ)” 。
主に登山道の入口や神社境内に佇む、老婆の異形を象った石像であり、三途の川で衣をはぎ取り、生前の罪を量る存在「奪衣婆(だつえば)」としても知られています。
本書『山形の姥神をめぐる冒険』は、著者が山形市を中心として月山を最終地点とした80 体の姥神像を訪ね歩いて記録した探索記です。苔むして舌を突き出す像、怒っているようで慈愛に満ちた像——。その表情は驚くほど豊かで、山形の民間信仰と暮らしの歴史を語りかけます。かつての女人禁制の結界にいる像も多く、多様なジェンダーを認め合う現代社会にどう響いてくるかという考察も読みどころのひとつです。今まであまり注目されてこなかった姥神という存在を再発見する一冊としても大きな価値を持っています。

■ 本書の特徴
1.⼭形県内 “80 体” の姥神像を網羅した記録集
山形県内に点在する姥神像を徹底的にフィールドワーク。姥神の〝今〟を伝える豊富なカラー写真。場所ごとの特徴・背景・アクセス難易度も併記。
2.著者⾃⾝の体験を通した “読む紀⾏⽂” としても楽しめる
山の霊気、動物の影、不意に現れる石像——それらに対面した時々の感情や風景が臨場感ある文章で綴られ、時に哲学的な考察にうながされる著者。現代社会に生きる人々に語りかける、単なる資料集ではない問いかけもあり。
3.巻末に「姥神マップ」を収録
地理院地図に位置情報を追記した “姥神マップ” を掲載。実際に巡礼する人にも役立つ構成。
4.姥神から “罪・罰・贖罪・ジェンダー” を考える「読書編」も収録
奪衣婆の起源や罪の概念を手がかりに、関連書籍を紹介。人間観・宗教観・ジェンダー観など、山と本の世界とのダイアローグとしても楽しめる内容。

■ 著者プロフィール
あらしだうたこ
1973年生まれ。新潟市出身。長年山形市でブックイベントを主催。ある日、山歩きの途中で姥神像と出会い、その表情や信仰の背景に魅せられ独自のフィールドワークを開始。本書は 3 年にわたる旅の集大成となる初の単著。

■ 書籍情報
書名:『山形の姥神をめぐる冒険』
著者:あらしだうたこ
企画・編集:chochola chochola books
出版:文彩堂出版
定価:1,980 円
判型:A5/ページ数:約 196 ページ
発売日:2025 年 11月 24日
ISBN:ISBN978-4-86802-294-7 C003

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■ お問い合わせ先
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嵐田詩子




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