2025/11/16 21:58
教育・研究エンジニア
静岡大学と岡山大学、北海道大学との共同研究成果プレスリリースです。
<研究のポイント>
・ユーグレナ由来の光化学系I–集光性色素タンパク質複合体(PSI-LHCI)の立体構造を2.82Åの分解能で決定しました。
・PSIは通常10種類以上のサブユニットで構成されますが、本研究対象ではわずか8サブユニットで構成される「縮約型」PSIが観察されました。
・LHCIは計13個が不規則に配置されており、典型的な緑藻・植物型の「LHCIベルト」を欠き、代わりにジアジノキサンチンという紅色系統特有のカロテノイドを結合していました。
・系統解析の結果、PSIコアサブユニットの一部(PsaD)がシアノバクテリア由来であることが判明し、ユーグレナPSI-LHCI が「モザイク的進化」により成立したことが明らかになりました。
◆概 要
静岡大学農学部の長尾遼准教授は、岡山大学の加藤公児准教授(特任)、沈建仁教授、北海道大学の高林厚史助教らと共に、緑色系統二次共生藻ユーグレナ由来PSI-LHCIの構造をクライオ電子顕微鏡単粒子解析により決定しました。分解能は2.82Åに達し、これまで未解明だった緑色系統二次共生藻のPSI-LHCIの分子配置を初めて明らかにしました。
解析の結果、PSIコアは8種類のサブユニットから構成され、13個のLHCIサブユニットが非対称的に配置していることが判明しました。これは、緑藻や植物に特徴的な「整列したLHCIベルト」を欠き、むしろ紅色系統二次共生藻類の配置様式に近い特徴を示します。
また、LHCIに結合する色素として、従来、緑藻系統藻類では見られないジアジノキサンチンが検出されました。さらに、系統解析によりPSIコアのPsaDサブユニットがシアノバクテリア由来であることが明らかになり、本複合体が緑藻・紅藻・シアノバクテリア由来の分子要素を組み合わせて形成された「モザイク的進化」の産物であることが示されました。
なお、本研究成果は、2025年10月31日 に、国際雑誌「Science Advances」に掲載されました。
◆静岡大学農学部 長尾遼(ながおりょう)准教授からのコメント
ユーグレナのPSI-LHCIは、緑藻とも紅藻とも異なる独自の進化的特徴を持ちます。本研究により、光合成超複合体が“モザイク的”に構築され得ることが明らかとなり、光合成システムの進化的柔軟性を示す好例となりました。
◆論文情報
掲載誌名:Science Advances
論文タイトル:Structural insights into the divergent evolution of a photosystem I supercomplex in Euglena gracilis
著者:Koji Kato, Yoshiki Nakajima, Runa Sakamoto, Minoru Kumazawa, Kentaro Ifuku, Takahiro Ishikawa, Jian-Ren Shen, Atsushi Takabayashi, Ryo Nagao
DOI:10.1126/sciadv.aea6241
URL:https://www.science.org/doi/10.1126/sciadv.aea6241
◆詳しい研究内容について
緑色系統二次共生藻ユーグレナにおける非典型的光化学系I超複合体の立体構造を解明
https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r7/press20251107-1.pdf
◆本件お問い合わせ先
<研究に関すること>
静岡大学 農学部 准教授 長尾遼(ながおりょう)
TEL :
WEBサイトやSNSのリンクのまとめ(QRコード) : https://linktr.ee/ryonag
<報道に関すること>
静岡大学 総務部 広報・基金課
TEL :
岡山大学 総務部 広報課
TEL :
北海道大学 社会共創部 広報課
TEL :
<岡山大学の産学官連携などに関するお問い合わせ先>
岡山大学研究・イノベーション共創機構 産学官連携本部
〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
TEL:
E-mail:sangaku◎okayama-u.ac.jp
※ ◎を@に置き換えて下さい
https://www.orsd.okayama-u.ac.jp/
<岡山大学の研究機器共用(コアファシリティ)などに関するお問い合わせ先>
岡山大学研究機器の共用の体制・整備等の強化促進に関するタスクフォース(略称:チーム共用)
〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
TEL:
FAX:
E-mail:cfp◎okayama-u.ac.jp
※ ◎を@に置き換えて下さい
https://corefacility-potal.fsp.okayama-u.ac.jp/
<岡山大学のスタートアップ・ベンチャーなどに関するお問い合わせ先>
岡山大学研究・イノベーション共創機構 スタートアップ・ベンチャー創出本部
〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
E-mail:start-up1◎adm.okayama-u.ac.jp
※ ◎を@に置き換えて下さい
https://venture.okayama-u.ac.jp/
岡山大学メディア「OTD」(ウェブ):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000215.000072793.html
岡山大学オリジナルグッズ Online Shop:https://okadaigoods.official.ec/
岡山大学統合報告書2024:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002801.000072793.html
岡山大学SDGsホームページ:https://sdgs.okayama-u.ac.jp/
岡山大学Image Movie (YouTube):
岡山大学地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS):https://j-peaks.orsd.okayama-u.ac.jp/
産学共創活動「岡山大学オープンイノベーションチャレンジ」2025年10月 期共創活動パートナー募集中:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000003423.000072793.html
国立大学法人岡山大学は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を支援しています。また、政府の第1回「ジャパンSDGsアワード」特別賞を受賞しています。地域中核・特色ある研究大学として共育共創を進める岡山大学にご期待ください
岡山大学 文部科学省「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」に採択~地域と地球の未来を共創し、世界の革新の中核となる研究大学:岡山大学の実現を加速とともに世界に誇れる我が国の研究大学の山脈を築く~
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001935.000072793.html
<研究のポイント>
・ユーグレナ由来の光化学系I–集光性色素タンパク質複合体(PSI-LHCI)の立体構造を2.82Åの分解能で決定しました。
・PSIは通常10種類以上のサブユニットで構成されますが、本研究対象ではわずか8サブユニットで構成される「縮約型」PSIが観察されました。
・LHCIは計13個が不規則に配置されており、典型的な緑藻・植物型の「LHCIベルト」を欠き、代わりにジアジノキサンチンという紅色系統特有のカロテノイドを結合していました。
・系統解析の結果、PSIコアサブユニットの一部(PsaD)がシアノバクテリア由来であることが判明し、ユーグレナPSI-LHCI が「モザイク的進化」により成立したことが明らかになりました。
◆概 要
静岡大学農学部の長尾遼准教授は、岡山大学の加藤公児准教授(特任)、沈建仁教授、北海道大学の高林厚史助教らと共に、緑色系統二次共生藻ユーグレナ由来PSI-LHCIの構造をクライオ電子顕微鏡単粒子解析により決定しました。分解能は2.82Åに達し、これまで未解明だった緑色系統二次共生藻のPSI-LHCIの分子配置を初めて明らかにしました。
解析の結果、PSIコアは8種類のサブユニットから構成され、13個のLHCIサブユニットが非対称的に配置していることが判明しました。これは、緑藻や植物に特徴的な「整列したLHCIベルト」を欠き、むしろ紅色系統二次共生藻類の配置様式に近い特徴を示します。
また、LHCIに結合する色素として、従来、緑藻系統藻類では見られないジアジノキサンチンが検出されました。さらに、系統解析によりPSIコアのPsaDサブユニットがシアノバクテリア由来であることが明らかになり、本複合体が緑藻・紅藻・シアノバクテリア由来の分子要素を組み合わせて形成された「モザイク的進化」の産物であることが示されました。
なお、本研究成果は、2025年10月31日 に、国際雑誌「Science Advances」に掲載されました。
◆静岡大学農学部 長尾遼(ながおりょう)准教授からのコメント
ユーグレナのPSI-LHCIは、緑藻とも紅藻とも異なる独自の進化的特徴を持ちます。本研究により、光合成超複合体が“モザイク的”に構築され得ることが明らかとなり、光合成システムの進化的柔軟性を示す好例となりました。
◆論文情報
掲載誌名:Science Advances
論文タイトル:Structural insights into the divergent evolution of a photosystem I supercomplex in Euglena gracilis
著者:Koji Kato, Yoshiki Nakajima, Runa Sakamoto, Minoru Kumazawa, Kentaro Ifuku, Takahiro Ishikawa, Jian-Ren Shen, Atsushi Takabayashi, Ryo Nagao
DOI:10.1126/sciadv.aea6241
URL:https://www.science.org/doi/10.1126/sciadv.aea6241
◆詳しい研究内容について
緑色系統二次共生藻ユーグレナにおける非典型的光化学系I超複合体の立体構造を解明
https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r7/press20251107-1.pdf
◆本件お問い合わせ先
<研究に関すること>
静岡大学 農学部 准教授 長尾遼(ながおりょう)
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岡山大学 総務部 広報課
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<岡山大学の産学官連携などに関するお問い合わせ先>
岡山大学研究・イノベーション共創機構 産学官連携本部
〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
TEL:

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〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
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<岡山大学のスタートアップ・ベンチャーなどに関するお問い合わせ先>
岡山大学研究・イノベーション共創機構 スタートアップ・ベンチャー創出本部
〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
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岡山大学メディア「OTD」(ウェブ):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000215.000072793.html
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岡山大学統合報告書2024:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002801.000072793.html
岡山大学SDGsホームページ:https://sdgs.okayama-u.ac.jp/
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岡山大学地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS):https://j-peaks.orsd.okayama-u.ac.jp/
産学共創活動「岡山大学オープンイノベーションチャレンジ」2025年10月 期共創活動パートナー募集中:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000003423.000072793.html
国立大学法人岡山大学は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を支援しています。また、政府の第1回「ジャパンSDGsアワード」特別賞を受賞しています。地域中核・特色ある研究大学として共育共創を進める岡山大学にご期待ください
岡山大学 文部科学省「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」に採択~地域と地球の未来を共創し、世界の革新の中核となる研究大学:岡山大学の実現を加速とともに世界に誇れる我が国の研究大学の山脈を築く~
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001935.000072793.html


