6月はヨーロッパの言い伝えで「6月に結婚する花嫁は幸せになれる」とされるジューンブライドの季節です。ジューンブライドを夢見るカップルもいるのではないでしょうか。しかし、新型コロナウイルス感染症によるパンデミックが発生した2020年以降に結婚したカップルは、結婚にまつわる消費行動について、以前と同じスタイルを行うことが難しくなっているようです。

そこで株式会社ネクストレベル(本社所在地:神奈川県横浜市、代表取締役:田中大洋)が運営する縁結び大学(https://jsbs2012.jp/date/)では、その実態を知るため「結婚にまつわるお金の使い方」について、パンデミック発生前の2019年以前と発生後の2020年以降で比較するアンケートを実施しました。

何にどのくらいお金を使ったのか、お金を使った理由について、2017年~2019年に結婚した98名と、2020年~2021年に結婚した90名の回答の違いを詳しくお伝えします。


※今回の調査では、新型コロナウイルス感染症によるパンデミックが始まった2020年を境として、前後2年に結婚した人にアンケートを実施しました。2017年~2019年に結婚した人は「パンデミック発生前」、2020年~2021年5月までに結婚した人は「パンデミック発生後」と区分して分析しています。


「結婚式」など“コト”消費は減少、「指輪」など“モノ”消費が増加傾向



「結婚に関するもので、一番多くお金を費やしたものを選んでください」という質問をしたところ、2019年以前と、2020年以降では傾向に大きな変化が見られました。

「結婚式・披露宴」「新婚旅行」「フォトウェディング(前撮り・後撮りを含む)」は、いずれも2020年以降に減少していることが分かります。特に「結婚式・披露宴」は、2020年以前では半数弱のカップルが一番多くお金を費やしていましたが、2020年以降はその割合が14.7ポイントも減少しています。

また「新婚旅行」と「フォトウェディング」は、最も多くお金を費やした人が2020年を境に半減しています。
人との接触や外出・移動が伴うことはいずれも減少していることから、移動の制限や外出の自粛要請が結婚にまつわる消費行動に大きく影響していると考えられます。

反対に、「家具・家電・インテリア」「婚約指輪」「結婚指輪」に最もお金を費やした人は、2020年以降に増加しました。「家具・家電・インテリア」は6.6ポイント、「婚約指輪」は3.7ポイント、「結婚指輪」にいたっては14.7ポイントも増加しています。これらの項目は、一過性のイベントや行動ではなく、結婚生活で今後長く使用するアイテムであることが共通しています。

今回の調査から、2019年以前と2020年以降の結婚にまつわる消費傾向は、イベントや行動などの“コト”消費から、長く使用する“モノ”消費へ変化しているといえそうです。

■ 最もお金を費やした理由は?

"2019年以前”と比較して"2020年以降”のほうが「最も多くお金を費やした」という回答が多かった項目について、その理由を聞きました。

【家具・家電】

●緊急事態宣言などの影響で結婚式ができなかったため、家電にお金をかけました。(福岡県/25歳女性/2020年5月結婚)
●結婚式は行わず、あまりつける機会のない婚約指輪にお金を使う気になれなかったので、「キッチン家電をいいものにしたい」と夫に相談しました。ずっと使える物だし、気に入った家電を揃えられて満足です。(大阪府/30歳女性/2020年10月結婚)
●良い物を購入すれば、長く使えて生活の質も上がるので、良い家具にお金を費やすことにしました。(富山県/31歳女性/2020年5月結婚)

【婚約指輪】

●結婚する前からすでに半同棲していたため、家具などは揃っていました。結婚式は行えなかったので、結果的に婚約指輪が一番お金を費やした物になります。(北海道/29歳男性/2020年3月結婚)
●一生に一度しか買わない物だし、なかなかもらえない物だからこそ、記念に良い物を持っておきたかったから。(大阪府/34歳女性/2020年4月結婚)


【結婚指輪】

●新婚旅行にお金を一番使う予定でしたが、旅行に行けなくなってしまったため、ずっと身に着けることができる結婚指輪に一番お金を使おうと、ふたりで話して決めました。(京都府/29歳女性/2020年11月結婚)
●新婚旅行にお金をかける予定が、いつ旅行に行けるか見通しがつかなくなったので、結婚指輪にお金をかけることになりました。(愛媛県/23歳女性/2020年10月結婚)
●旅行などは難しいと判断して、手元に残る指輪にお金を掛けました。(栃木県/35歳男性/2020年1月結婚)


それぞれのコメントから、パンデミックの影響で予定していた消費行動が叶わなかったため、家具・家電や指輪などに多くのお金を費やしたことが分かります。

次は、「結婚式」「フォトウェディング」「婚約指輪」「結婚指輪」「新婚旅行」「家具・家電・インテリア」のそれぞれの項目でお金を費やしたか否か、またお金を費やさなかった理由についても見ていきます。


結婚式は「家族だけ」「写真だけ」への移行は少なく、「しなかった」が増加


「結婚式をしましたか?(する予定ですか?)」という質問をした結果、2019年以前と2020年以降を比較すると、「した」が減少し、「しなかった」が増加していることが分かりました。2019年以前は「結婚式をした」人が64.3%でしたが、その数値は2020年以降には53.3%と、11ポイントも減少しました。

逆に「しなかった」人は2019年以前が15.3%で、2020年以降は28.9%と13.6ポイントも増加しています。この数値から、「結婚式をした」人の減少幅の多くは「しなかった」に移行していると推測できます。
2019年以前と2020年以降を比較すると、「家族で食事」と「フォトウェディング」を行った人も減少していました。

このことから、パンデミック発生後は結婚式を縮小して行うという選択よりも、結婚式自体を「しない」という選択肢を選んでいる人が増えているといえそうです。

■ 2020年以降に「結婚式をしなかった」理由は?

2020年以降に結婚した人に「結婚式をしなかった」理由を聞いてみました。


●感染状況を考えて結婚式や会食は行いませんでした。(長野県/31歳男性/2020年1月結婚)
●海外挙式を予約していましたが、渡航できなくなったので、フォトウェディングにしました。(神奈川県/35歳女性/2020年2月結婚)
●結婚式を挙げたい気持ちはありましたが、いつできるのか予定が立てられず、ひとまず写真だけ撮影しました。(北海道/35歳女性/2020年5月結婚)
●遠方から友人や親戚を呼ぶのが困難だと思ったから。また、引越し費用などで出費も多かったので諦めました。(広島県/25歳女性/2020年12月結婚)


コメントからは、「結婚式はしたいが、できそうにないので諦めた」という声が多くありました。「結婚式」への消費欲求はあったものの、現実的に「結婚式をしない」ことを選択せざるを得ない状況にあることが分かります。


婚約指輪は「購入した」が増加。結婚式に使わなかった予算分が指輪に


「婚約指輪」の消費行動についても聞いてみました。「婚約指輪」を購入した人を見ると、2019年以前は55.1%でしたが、2020年以降は60%と4.9ポイント上昇しています。

「婚約指輪」の平均金額は35万7000円(ゼクシィ結婚トレンド調査2020年より抜粋)と高価であることから、「結婚式」や「フォトウェディング」に費やさなかった予算を、結婚の記念となる「婚約指輪」に費やしたカップルが一定数いると考えられそうです。

あえて婚約指輪を購入しなかった人にその理由を聞いてみました。

■ 2020年以降、婚約指輪を購入しなかった理由は?


●結婚指輪のみでいいと思ったためです。自分も彼女も婚約指輪に対して必要性をあまり感じなかったので、買いませんでした。(茨城県/27歳男性/2020年12月結婚)
●普段着けない指輪を買うくらいなら、その分ほかのことにお金を使うほうがよいと思いました。(北海道/35歳女性/2020年4月結婚)
●「婚約指輪はいらない」と彼に伝えたら、代わりにネックレスを買ってくれました。(愛知県/25歳女性/2020年4月結婚)
●婚約指輪の代わりに、いつでも身に着けられて実用的な時計を買ってもらいました。(静岡県/37歳女性/2020年6月結婚)


​婚約指輪を購入しなかった人の声からは、「必要だと思わなかった」「別のことにお金を使いたかった」という理由が多く見受けられました。婚約指輪の購入欲求がもともとなかった人が買っていないという印象です。
裏を返すと「欲しいけれど予算が足りなくて諦めていた」という人は、2020年以降、婚約指輪にお金を使うことにむしろ積極的になったと推測できそうです。


結婚指輪は「購入しなかった」が微増。セレモニーがないことが一因


結婚指輪は多くの人が男女ペアで購入し、結婚式などで交換の儀式を行います。

2019年以前は、結婚するカップルの94.9%が購入していましたが、2020年以降、結婚指輪を購入した人は4.9%減少していました。ちなみに結婚指輪の平均価格は、ペアで25万1000円(ゼクシィ結婚トレンド調査2020より抜粋)と、婚約指輪同様に高価なものになっています。

結婚指輪を購入しなかった人には、どういった理由があったのでしょうか?

■ 2020年以降、結婚指輪を購入しなかった理由は?


●ふたりで「欲しいね」と話してはいましたが、夫は仕事では着けられないし、先延ばしにしています。指のサイズの関係で店頭に行かないといけないのですが、外出しづらいので買わないまま今に至ります。(大分県/34歳女性/2020年8月結婚)
●婚約指輪と結婚指輪、両方あっても着けていくところがないし、結婚指輪に費やすお金がもったいなく、結婚10周年になったら記念に買うことにしました。(鹿児島県/27歳女性/2020年6月結婚)
●あとで買おうと思っていたのですが、外出できなくて買わずに時が過ぎてしまいました。(神奈川県/33歳女性/2020年1月結婚)


結婚指輪を購入していない人からは、「外出できずに買いに行けなかった」という声が多く聞かれました。
また購入していない人は、全員が「結婚式をしていない」人でした。指輪交換のセレモニーをする機会がないことから、結婚指輪の必要性も薄れているようです。


新婚旅行に「行った」は大幅減。渡航制限や外出自粛の影響が色濃く


結婚に関するお金の使い方のなかで、新婚旅行は“行った人の割合の変化”が最も大きな項目となりました。2019年以前は73.5%のカップルが行っていましたが、2020年以降は48.9%と、24.6ポイントも減少しています。

これには移動の制限が大きく関わっていることが想像できますが、実際にはどのような理由で「行かない」選択にいたったのでしょうか?

■ 2020年以降、新婚旅行に行かなかった理由は?

●海外に新婚旅行に行きたいのですが今は渡航制限があって無理なので、状況が落ち着いたら行く予定です。(広島県/25歳女性/2020年12月結婚)
●今は移動することにリスクがあるので、落ち着いてからにしようとふたりで決めました。(北海道/28歳女性/2020年12月結婚)
●予定がまったく立たない状況なので、落ち着いたら行きたいです。(北海道/35歳女性/2020年4月結婚)
●遠出すること自体が難しい状況だったので、新婚旅行には行きませんでした。(長野県/31歳男性/2020年1月結婚)


予想通り、新婚旅行に行かなかった理由のほとんどが、外出自粛や渡航の制限のためという回答でした。現在は難しいものの、パンデミックが収まったあかつきには「新婚旅行に行きたい」と考えているカップルが多いことが分かります。

家具・家電を「購入した」はやや減少、出費を控える傾向か


一番お金をかけたものの割合については、2019年以前よりも2020年以降のほうが増加傾向にある「家具・家電」ですが、実際に購入した人自体は2020年以降4.9ポイント減少していました。

結婚を機に家具・家電を購入しなかった人には、どういった理由があるのでしょうか?

■ 2020年以降、家具・家電を購入しなかった理由は?


●家具はあとから少しずつ買えばいいと思い、予算の都合もあってまだ買っていません。(愛知県/33歳男性/2020年3月結婚)
●彼が一人暮らしのときに使っていた家具を、結婚後もそのまま使っています。(神奈川県/41歳女性/2020年4月結婚)
●もともと同棲していたので、結婚したからといって改めて買う必要がありませんでした。(福岡県/32歳女性/2020年1月結婚)


家具・家電に関しては、「同棲していたので必要ない」「一人暮らしだったので揃っていた」というコメントがほとんどでした。

コメントからは減少理由ははっきり見えませんでしたが、結婚後の万が一の出費・減収に備えて、“まずは出費を抑えて必要なら購入する”と考える傾向があるのかもしれません。


「結婚式」にかける金額の割合は、大幅に減少


「結婚であなたが費やした総額を100(%)とした場合に、『結婚式』(フォトウェディングを含む)に費やした割合を教えてください」という質問をした結果、2019年以前は結婚資金のうち「41~60%」を結婚式に費やした人が36.7%と最も多かったものの、2020年以降では48.9%の人が「0~20%」と回答しました。
緊急事態宣言や外出自粛といった世の中の状況が、結婚式に費やすお金に色濃く影響していることが分かります。

■ 「指輪」に費やしたお金は、やや上昇の傾向


結婚指輪と婚約指輪を含む「指輪」に費やしたお金は、2019年以前は「0~20%」だった人が76.5%と大半を占めていましたが、2020年以降はその傾向がやや薄れて、指輪に費やす金額の割合は高くなっているようです。

2020年以降は、「0~20%」は62.2%と減少し、「21~40%」「41〜60%」「61〜80%」「81〜100%」の割合のすべてで2019年以前よりポイントが上昇しています。結婚にまつわる限られた予算の中で、指輪にかける割合が相対して大きくなっていることが分かります。

■ 「新婚旅行」は控えた人が多いものの、GO TOトラベルの影響も?

新婚旅行に関しては、「0~20%」だった人の割合が2020年を境に19.3ポイントも上昇しています。これは、海外渡航の制限や都道府県をまたぐ移動の自粛などの影響で、新婚旅行を延期した人が多いことが原因として考えられます。

ただ、「41~60%」の割合と回答した人は2020年以降3.1%から6.7%に増加していました。2020年は「GO TOトラベル」が行われた時期もあったことから、その施策を利用して新婚旅行に行った人もいたのかも知れません。

■ 「家具・家電」の購入を重視する人の割合が微増

家具・家電に関しては、2019年以前は「0~20%」が63.3%、2020年以降は60%と、あまり費用を割かなかった人の割合が高くなっています。また「61~80%」「81〜100%」と多くの金額を家具・家電に費やした人の割合が、いずれも少し増えていました。

結婚にまつわるお金の使い方で、結婚式や指輪、新婚旅行よりも、家具・家電を重視してお金を使った人が2020年以降は若干多くなったということが分かりました。


まとめ|結婚にまつわるお金の使い方は、2020年以降大きく変化
結婚にまつわるお金の使い方についての調査はいかがでしたか?今回の調査からは次のことがいえそうです。

●「結婚式」など“コト”消費は減少、「指輪」など“モノ”消費が増加
●「結婚式」は、“しない”という選択が増加
●「指輪」に費やすお金の割合は増加傾向
●「家具・家電」は購入が微減したが、購入した人は多くお金をかける傾向

新型コロナウイルス感染症の影響で、2020年以降「結婚にまつわるお金の使い方」は、大きく変化したことが分かりました。この状況がパンデミックの終息後にまた元に戻るのか、このまま結婚するカップルの金銭的な価値観の変化に繋がっていくのかは、まだわかりません。

どのような社会情勢であっても、幸せになるために結婚するふたりの思いと、祝福する温かな気持ちだけは大切にしていきたいですね。

【調査概要】
調査方法:インターネットアンケート
アンケート母数:計188名
実施時期:2021年5月13日  ~5月27日  
調査実施主体:縁結び大学(https://jsbs2012.jp/date/
調査会社:株式会社ネクストレベル


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横浜・福岡にてWebメディア運営とシステム開発事業を展開。
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