重力/Noteは新作公演として、『+51 アビアシオン,サンボルハ』を上演します。
移民の子孫としてのルーツと向き合い続ける劇作家・神里雄大による脚本への挑戦です。
横浜・若葉町に新しくオープンした劇場「WAKABACHO WHARF」から発信する、《境界/遊歩》をテーマにした連続企画の第一弾です。
「人々の移動と他者の集まる社会」を問題としたこのテクストは、第60回岸田國士戯曲賞・最終候補ノミネート作品としても注目されました。
今回重力/Noteはこのテクストから、己のルーツすらもアクセスできない現代人の振る舞いを演劇化します。

どうぞご期待ください!

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『+51 アビアシオン,サンボルハ』
原作:神里 雄大
構成・演出:鹿島 将介

【出演】
立本 夏山 平井 光子 牧 凌平

【スタッフ】
美術・衣裳:富永 美夏
照明:山澤 和幸
音響:佐藤 武紀
演出助手:飛田 ニケ
宣伝美術:青木 祐輔
協力:小濱 昭博 瀧腰 教寛 夏山オフィス
主催:重力/Note



【公演日程】
8月31日(木)19:30★
9月 1日(金)19:30
2日(土)14;00 19:30
3日(日)14:00★
4日(月)14:00★
*各回最大35名。★の回はポストトークを予定しています。
*受付開始=開演30分前 開場=開演15分前

【チケット】
受付開始:7月15日
一般2,800円 学生2,500円 当日券3,000円 一般ペア割5,200円
*日時指定・全席自由席、学生割引は予約のみ・要身分証明書

【ご予約方法】
★ご予約は、チケット予約フォーム、もしくはお電話にて承ります。
○予約フォーム→ https://goo.gl/98V2oh
○TEL. (受付時間 9:00~20:00)

【詳細情報はこちら】
劇団WEB→ http://www.jyuuryoku-note.com/?page_id=2228

【会場情報】
若葉町WHARF WHARF01
神奈川県横浜市中区若葉町3-47-1

【アクセス】
京急 「日ノ出町」(急行停車駅)下車 徒歩8分
京急 「黄金町」下車 徒歩4分
横浜地下鉄(ブルーライン)「板東橋」下車(3B出口) 徒歩7分
市バス「横浜橋」下車 徒歩3分
映画館「Jack & Betty」斜め前
JR「関内」下車 徒歩12分

劇場HP:https://yokohamastory.qloba.com/?_auth=login
※ 会場には駐車場・駐輪場がございません。お越しの際には公共交通機関をご利用ください。

【作品概要】
ーしっぽをつかまれないデタラメー

闇のなか、山の向こうから人が叫ぶ声が聞こえる。何を言っているのか殆ど聞きとることのできないそれは、懐中電灯の光の僅かな揺れによって、その存在を伝えている。芝生を転がりながら台詞をまくしたてる者。突然、森から四駆車が勢いよく飛び出し斜面を滑走、すべての俳優たちを連れて走り去る。残された観客は呆然。「俳優がいなくなったんだから終わりなんだろう」、審査員の一声で幕が閉じた。これは利賀演出家コンクール『しっぽをつかまれた欲望』のラストシーン。爽快なまでにデタラメな想像力。カミサトユウダイという名前に遭遇したのは、このとき。てっきり演出家だと思っていたら、いつのまにか戯曲も書いていた。

ところで、約束しよう。この作家はあなたをどこまでも連れていく。行き先は、東京→那覇→ひめゆりの塔→大宜味→辺野古→ペルー→カヤオ→サンボルハ→……テクストはまるで旅行記さながら。作家自らのルーツを辿る道すがら、逡巡し続ける〈わたし〉の足取りは、三十半ばで生きていくことの意味を見失った『La Divina Commedia』のダンテにも似ているようでいて、そうかと思えばケルアックの『On the Road』顔負けのビートと縦横無尽な行動力に呆気に取られてしまうかもしれない。だが、最後までついてきて欲しい。何故か? カミサトユウダイは、あなたの遠い祖先のことについて考えている。あるいは、あなたのそう遠くはない子孫のことについて。もしくは、あなた自身の居場所について、あの爽快なまでにデタラメな想像力を駆使して、いつのまにか、ワザワザ海を越えて、まで。

今回は横浜・若葉町に新しくオープンした劇場「若葉町WHARF」から発信する、《境界/遊歩》をテーマにした連続企画の第一弾。イミン、ナンミン、ボウメイ……ほんの少し前の時代まで、これらの言葉が持っていたシビアな緊張感を、すっかり私たちは忘れてしまっている。いや、本当に忘れているのは、これらの言葉がふたたび緊張感を帯びてきたことについてかもしれない。かつて新天地を求めて、多くのイミンたちが飛び出していった横浜港もほど近い場所。多種多様な人たちが流れ着くアヤシゲな町の気配とセットで、この公演を愉しんでもらえればいいと思う。

鹿島 将介


【原作者プロフィール】
神里 雄大 Yudai Kamisato *劇団HPより転載
1982年、ペルー共和国リマ市生まれ。父方は沖縄出身のぺルー移民、母方は札幌出身という境遇のもと、神奈川県川崎市で育つ。10代の数年間にはパラグアイ共和国、アメリカ合衆国などでも生活。2003年の早稲田大学在学中に岡崎藝術座を結成し、オリジナル戯曲・既成戯曲を問わず自身の演出作品を発表。日常と劇的な世界を自由自在に行き来し、俳優の存在を強調するような身体性を探求するアプローチは演劇シーンにおいて高く評価されている。ここ数年間は、自身のアイデンティティに対する関心の延長線上で、移民や労働者が抱える問題、個人と国民性の関係、同時代に生きる他者とのコミュニケーションなどについて思考しながら創作をしている。『亡命球児』(「新潮」2013年6月  号掲載)によって、小説家としてもデビューした。
*神里雄大 氏の戯曲はこちらからダウンロードできます(一部無料で閲覧可)→https://note.mu/kamisatoy/m/m16701913260c

【重力/Note Jyuuryoku/Note】
人類史上において破局的な経験を描く作家/テクストを中心に取りあげ、「いま私たちが受容するためには、どのような人の繋がり方や振舞いへと翻訳する必要があるのか」という問いのもと、テクストの持つ神話性や、その物語や構造を必要とした共同体の生存感覚を分析し再構成して演劇化する。TPAM2015 showcase参加作品「《IBSEN×YOKOHAMA》~『人形の家』上演をめぐるプロセス~」以降、〈創作プロセス〉〈演劇性の再定義〉〈自律した創作主体としての俳優モデル〉〈創作現場における観客の関与可能性〉を検証・試行錯誤している。
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重力/Note制作部
tel.
mail.
WEB. http://www.jyuuryoku-note.com/

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