プレスリリース
2014年3月吉日
報道機関各位

現行の柔道整復師療養費受領委任払制度の見直し・改革を目指す“患者と柔整師の会”
柔道整復施術ガイドライン作成にあたって第1回全体会議 
1月19日、柔道整復師センターで開催
急性、亜急性の基本認識、症状固定などについて議論深める
時代の流れに沿う枠組みを持った施術やルール作りを目指す

■柔整師業界団体、大学教授、保険者、マスコミなど約60名参加

現行の柔道整復師療養費受領委任払制度の見直し・改革を目指す患者と柔整師の会(患者代表:今城康夫、柔整師代表:荻原啓二)は、1月19日  、東京都中野区の柔道整復師センターにおいて「柔道整復施術ガイドライン作成にあたって第1回全体会議」を開催しました。

会議には全国の柔整師業界団体や、保険者、マスコミなど約60名が参加。フリートーキング形式で、亜急性(期)外傷の問題、症状固定後の取り扱い問題やその他当会が提起した総論(ガイドライン設定の意味、業界共通のルールにするなど基本認識)・各論(問題の多い急性期を経過した外傷とは、時期の設定など)を中心に活発な議論が展開されました。業界の中で共通の理解を深めるために、今後、全体会議を3~4回開催、6月を目途にガイドラインを完成させる予定です。

■「あいまいな現行ルール、現実に行われている施術に対し、十分な説明責任を果たさなければ、社会に向かって信用ある発言ができない」

まず、荒井俊雅座長(社団JB日本接骨師会常任理事)が①柔道整復師業界は療養費受領委任払制度、算定基準、グレーゾーンなど多くの問題を抱えている。あいまいな現行ルール、現実に行われている施術に対し、自らがきちんと説明責任を果たさなければ、社会に対し信用ある発言ができない。
②患者、保険者、柔整師で会議を開催し、それらの意見の中から、時代の流れに沿う枠組みを持った施術やルールを確立しなければ、問題の解決にならないと、本会議開催の背景と必要性を説明しました。

加えて「柔道整復師の間で頭に浮かべる患者層の違い、症状の捉え方、治療方針など急性外傷以外では幅がある。柔整師養成校では、5負傷(骨折、脱臼、捻挫、打撲、挫傷)に関しては、統一した教育を受けているので、違いはほとんどない。しかしそれ以外の急性期を超えた治療(慢性期やいわゆる軟部組織損傷など)については、統一した基準がないのが現状である」との問題点を指摘し、共通の理解を求めました。

■急性期、亜急性期、慢性期という「受傷期間」による分類でなく、急性外傷、亜急性外傷の解釈で行うべきという意見も

荒井座長はその上で「本日は急性期を超えた外傷(急性期経過外傷)、いわゆるグレーゾーンも含めて、治療のガイドライン作成のためのお知恵を拝借したい。当業界の統一見解として作成したい」と、参加者に積極的な議論を求めました。
下記について共通理解の言葉、定義を見つけたいとの問題提起を行い、それに基づいて会議が進行しました。 
・急性外傷、亜急性外傷(損傷)・急性期、亜急性期、慢性期(具体的な日数)
・外傷:外的要因(外力)による損傷(損傷の仕方で日常動作での自己負傷は)
・症状固定(治癒)・後療法とは ・急性時のRICE処置に同様なネーミングを急性期経過外傷(軟損、グレーゾーン)でも付けたい。

■「亜急性」の外傷とは反復して外力が加わったもの、急激な外力によって生じるのが「急性」との意見表明も

会議は「急性・亜急性の定義」及び「症状固定後の治療」を中心に進められました。「急性、亜急性については、栃木県柔道整復師会ホームページより資料として添付されている「亜急性外傷とは※」に載っている通りと私は理解しており、高等教育になってからの柔道整復学概論で、私はこのように教育してきた」。その上で「急性期、亜急性期、慢性期といった受傷の期間によっての分類ではなく、急性外傷、亜急性外傷という解釈で柔道整復は行っていると考えている」との認識を示す意見も出ました。

※亜急性外傷とは、亜急性期(急性期、亜急性期、慢性期という風に、受傷からの期間によって分類している)の外傷という意味でなく、外傷を起こす原因として急激な外力により起こる急性外傷に準ずるもの。軽度な外力でも反復や持続した外力により、急性外傷と同様に軟部組織などの損傷が見られる外傷を指すものである、と記述している。

一方では「亜急性の外傷とは、反復して外力が加わったものと認識しているし、学生にもその様に伝えている。急激な外力によって生じるのが急性」との別の意見表明がありました。これ対して「私も免許を取って40年」という地方整復師協会幹部は「急性、亜急性、慢性と疾患を分けるなら、時間の経過しか考えられない。急性期であれば1週間以内、1週間を経過していれば、1カ月ぐらいは亜急性。それ以降は慢性疾患である」―と時間の経過で考えるべきと意見を述べました。

■「症状固定」とはこれ以上治療を続けても、組織の回復が望めない状態のこと。

症状固定についても様々な意見が出されました。
「症状固定というのは、これ以上治療を続けても、組織の回復が望めない状態のこと。交通事故でよく症状固定があり、その判断だ。患者はちょっと治療してもらえれば1週間ぐらい、いい調子で仕事ができるので、それはそれで話し合いをすべきと思う」

「症状固定は、確かに費用の話もあるが、基本的にこのエビデンスを基に回数でガイドラインをつくると、問題になると思う。回数では患者は一通りにはいかない。必ずそれ以上の患者も出てくるし、それ以上やったことによって治ったという患者も出てくる。そのガイドラインが誤りなのか、症状固定と診断した先生が誤りなのか、問題が出てくるので、もう少し誰もが納得する数値を持つガイドラインをつくって欲しい」

■「症状固定は誰もが納得する数値をガイドラインで作ってほしい」

「痛みの症状が急性の症状であるならば急性に対しての治療途中で、今まで慢性的な腰痛があっても、ぎっくり腰になった場合は急性の痛みになる。従って急性期の治療をする。症状が改善して、以前の症状に戻った時点で慢性だと思う。そこから治療効果が見られなければ、症状固定として患者にある程度の治療を一定期間、納得してもらって、これ以上は自由診療という形に持っていくのがベストと思う」

「症状固定後の治療をどこまでやれるか。患者から見ると、症状固定してもまだ痛みがあるのに、それを症状固定だからとぱっと突き放されると、不条理である。だから、その症状固定後の治療を柔整師はどこまで、どういう形で捉えていくか、ガイドラインをつくる上で非常に大事だ」

■「良し悪しをきちっと議論しルール化することが業界発展の基礎になる」

最後に本多清二・社団JB日本接骨師会最高顧問は下記の様にまとめました。
「このガイドラインをつくろうと思ったのは、保険者、患者から柔道整復師はどういう施術を行っているのかという質問を繰り返し受ける。柔道整復師施術を正しく認識する最大公約数的なものがない。ばらばらな感じがしている。これでは社会の支持を得られない。それでガイドラインをつくってみようと思った。良し悪しをきちっと議論して、ルール化していくことが、この業界が発展していく基礎になると確信している」


【患者と柔整師の会のプロフィール】
超高齢化時代の到来を目前に控え、多くの患者は柔道整復診療で痛み、機能障害などから解放されたいと切に希望しています。複数の重大問題が包含される現行の柔道整復師療養費受領委任払制度を抜本的に見直すことを目的に、平成22年2月、全国の柔道整復師と患者の有志が中心となり設立されました。

現在、会員数は約7,200人に達しました。以来約4年間、保険者、柔道整復師、患者の意見を数多く聴取して、改革案を3回にわたり作成、関係者に説明の努力を重ねました。平成25年6月6日  総括会議を開催しこれまでの議論、審議を通じて作成した改善方策案を発表しました。

8月30日  、「登録柔道整復師制度及び柔整療養審査・支払機構」について保険者向け説明会を開催、6月発表の「制度運用改善方策案」に加えて、「急性期経過外傷(類似負傷)用施術内容情報提供書」など3案を提案しました。同時に「柔道整復施術ガイドライン」を作成することになり、今回1月19日  第1回全体会議を開催しました。

■設立 平成22年2月
■事務局 〒108-0074 東京都港区高輪2-16-49 カムロ高輪ビル2F 
■TEL&FAX     
■URL http://k-jsoudan.org/    
■E-mail   
■会員数 約7,200人
■代表 患者代表 今城康夫/ 柔整師代表 荻原啓二

【社団JB日本接骨師会のプロフィール】
病気や怪我の治療処置を「手当て」と言います。人が本能的に手を痛いところに当てたことから始まったと言われます。 手技療法は、人と人との触れ合う最も自然な治療です。安心・安全が治療の基本です。もっとも基本的な医療が手当てによる治療です。現代の柔道整復診療は、このような人と人との“絆”を大切にしながら現代医療技術を導入した自然と科学を総合した医療を持っています。徒手治療は、修練を積んだ高度な徒手整復技術によってもたらされます。

■本部:〒164-0013 東京都中野区弥生町1-13-7
■会長:五十嵐 仁
■設立:昭和57年2月11日
■TEL:       
■ FAX:
■ URL:http://www.pb-jb.org/  
■ E-mail:
 
内容、取材に関するお問い合わせは下記までお願いします。
社団JB日本接骨師会 担当:澤田・前田
〒164-0013 東京都中野区弥生町1-13-7
TEL 03(5388)7211 
FAX 03(5388)7231
E-mail :


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患者と柔整師の会