公益社団法人シャンティ国際ボランティア会(会長 若林恭英/所在地 東京都新宿区/以下SVA)は、岩手県遠野市に拠点を置き、東日本大震災で公立図書館や書店が大きな被害を受けた岩手県陸前高田市、大船渡市三陸町、大槌町、山田町で移動図書館活動「いわてを走る移動図書館プロジェクト」を展開しています。

同プロジェクトでは、大槌町との共催事業のひとつとして、町内にある仮設団地のすべての集会所および談話室に、小さな図書スペース(いわゆる「文庫」)を設けることになりました。

■ 岩手で使う本棚は岩手でつくりたい
文庫に欠かせないのは本、そして本棚です。既製品の本棚をネットで注文すれば揃えるのは簡単です。しかし、大槌町で使う本棚は大槌町の大工さんにつくってもらえないだろうか。早速、同町出身のスタッフに知り合いを当たってもらいました。「ありがたい話だけれど、仲間はいまリフォームの仕事で忙しい。住む場所に困っている人たちのことを優先せねば」という返事でした。そして、SVAの事務所が遠野市にあるならと、市内の家具店を教えてくれたのです。

しかし、ひとつだけ問題が。遠野市の一大イベント遠野まつりを間近に控えているため、25個の本棚を仕上げるまでに遠野市の家具店でも約1か月かかってしまうというのです。仕事が詰まっているのは、大槌町も遠野市も一緒でした。無理を承知でできるだけ早くとお願いをし、正式に発注しました。

そして2週間。社長から電話が入りました。「本棚、だいたいできたよ」と。え、こんなに早く!?

■ 安らぎを感じられる木製の本棚を
今回の本棚づくりへの想いを、家具店の社長に寄せていただきました。

「今回、大槌町の仮設住宅の集会所に本と一緒に本棚を贈りたいという相談を受けました。出来合いでなく製作するとなると、納期的に厳しいのではないか、費用もなるべく抑えたいのではないかと思い、打ち合わせの場に化粧板、スチール製のカタログも用意したのですが、被災された方が少しでも安らげる温かみのある木材を使った本棚がいいのではという結論になり、私もそれに賛同しました。」

「遠野木材工業団地の中にある北上山地家具製作協同組合に思いを伝え、優先的に製作にあたりました。また、設置においても、耐震金具をつけるなど地震対策をしてお渡しすることになりました。」

「今回のお仕事をさせていただくにあたり、被災された方たちが少しでも安らげるような配慮が大切だと痛感し、心をこめて製作させていただきました。このような仕事ができたことに感謝しております。」 

千葉木工所 代表取締役 千葉和夫

移動図書館車で回れる仮設団地の数はどうしても限られます。集会所や談話室に本棚を置き、そこにさまざまな本を並べ、仮設住宅にお住まいの方たちに読んでいただく。定期的に本を入れ替え、できれば本のリクエストにもお応えしたい。お話し会をはじめさまざまなイベントが、交流の場に。SVAの移動図書活動が行っている「立ち読み、お茶のみ、お楽しみ」な雰囲気を、いろいろな人の想いが詰まった本棚のまわりにつくりたい、より多くの方と共有したいと思っています。

※今回の本棚製作では、イタリアのタイヤメーカー、ピレリ社から資金援助を得ています。

※協力:3.11絵本プロジェクトいわて 共催:大槌町教育委員会 後援:社団法人日本図書館協会、岩手県立図書館、陸前高田市教育委員会、大船渡市、大船渡市教育委員会、山田町教育委員会

▼いわてを走る移動図書館プロジェクトのホームページができました。ご覧ください。
http://sva.or.jp/iwate/

▼本リリースのページ
http://sva.or.jp/eru/tohoku/iwate/iwate201110181385.html


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■ 本件に関するお問い合わせ先
公益社団法人シャンティ国際ボランティア会(SVA)
〒160-0015 東京都新宿区大京町31 慈母会館2、3階
Tel:
FAX:
E-mail: 
担当:鎌倉

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