観光物産総研は、消費者庁が募集する「食品表示基準(案)」に対するパブリックコメントとして「製造所固有記号制度見直し(案)について土産業界からの意見書」を同庁へメールで提出しました。「意見書」の内容は次のとおりです。

「製造所固有記号制度見直し(案)」について土産業界からの意見書

―土産業界から寄せられた意見はすべて「反対」でした
観光物産総合研究所(稲田俊明代表)は土産業界を対象とする、業界紙や各種出版物の発行、見本市の主催などを手がけるコンサルタント業を営んでおります。
当総研では、現在消費者庁が進めている新「食品表示基準(案)」策定に関して概ね賛成ですが、ただ1点、「製造所固有記号制度の見直し(案)」につきましては、土産業界の実態とあまりにもかけ離れすぎており、業界・業者の存亡に関わる死活問題として、7月15日に「月刊:観光物産ニュース 号外」版で「反対」を表明、土産業界の意見集約を始めました。その結果、寄せられた意見のすべてが今回の「製造所固有記号制度の見直し(案)」に「反対」でした。

―土産業界の実態(現状)と、「見直し(案)」が土産業界に及ぼす影響について
今回の「表示基準案」の中に、「製造所固有記号制度の変更(案)」が含まれており、変更案では、「商品には(原則)製造者の氏名、住所を明記する」としています。従来の「販売者又は製造者の氏名、住所の記載」からすると、PB商品(自社名ブランド商品)やOEM商品(他社ブランド商品の製造)、土産商品などに大きな影響が出ることが予測されます。事実、消費者委員会食品表示部会のある委員はコメントペーパーの中で、「お土産を取り扱いする食品製造者は、包材の変更を迫られるどころか経営方針も転換するといったことになるかもしれない。特に中小零細においては極めて厳しい経営状態に追い込まれることが考えられる」と述べています。

特に販売者住所を基本として商品開発している土産業界には、実態を無視した存亡に関わる死活問題です。土産業界では、地元での加工が難しい商材は技術のあるほかの地域の業者に委託し、製品化しているのが実情です。地域の実情を最も良く把握している土産問屋が、地域の特色を打ち出した商品を企画しても、新制度では製造者でない限り自社名での販売ができなくなります。当然、商品開発の意欲の減退につながります。小売サイドでは県外製造者名での販売には違和感が出てきます。製造業者にもこれらのPB商品やOEM商品の注文が来なくなります。いずれにしても土産業界を構成する製造、卸、小売サイドになんらメリットはなく、逆に売り上げ減少につながるのは必須であり、ひいては土産業界の縮小につながりかねません。
「固有記号制度見直し(案)」が土産業界(ほとんどが中小零細企業)に与える影響(ダメージ)は計り知れないものがあります。土産業界では、これら3者の協力と努力あってバラエティに富む多種多様な土産商品が店頭を飾り、観光客のニーズに応えているのです。

―土産業界からの要望
観光土産(物産)市場は今や3兆5000億円の巨大市場に成長しています。しかし、その実態は中小零細企業から成り立つ弱小業界です。そんな中、観光立国を目指す日本にとっては観光業界同様、今後ますます必要不可欠な業界です。
今回の基準案作りでは、「消費者の求める情報提供と事業者の実行可能性とのバランスを図り、双方に分かりやすい表示基準を策定する」(消費者庁)ことを念頭において頂き、長年にわたって築いてきた業界の商慣習、秩序、流通等に混乱を起こすことの無きよう、また個々の業者のこれまでの企業努力と商品開発努力が徒労に終わることの無きよう、ある意味では努力した業者が報われるような基準作成を願い、土産業界を代表して「見直し(案)」の再考を切にお願い申し上げます。
以上

2014年8月9日
・・・お蔭様で土産業界に携わり40年です・・・
観光物産総合研究所(代表 稲田俊明)
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