プレスリリース
報道機関各位
2011年2月18日
荻田泰永北極点事務局 代表 荻田泰永

来年、日本人初の「北極点無補給・単独・徒歩到達」を目指す北極冒険家・荻田泰永
今年3月~6月、カナダ北極圏海氷上の「1000km無補給・徒歩踏破」に挑戦 
2月22日成田出発、3月5日カナダ・レゾリュートから徒歩行を開始
19世紀半ば遭難した英国探検隊を追うノンフィクションライター・角幡唯介が同行

北極冒険家の荻田泰永(33歳、北海道上川郡在住)は3月~6月、カナダ北極圏の海氷上を1000kmにわたり、90kgの食料・燃料・キャンプ道具などの荷物を積み込んだソリを自力で曳き続ける徒歩踏破に挑戦します。途中で食料・燃料など補給を一切受けず歩き続けます。今回の全ルートを徒歩による踏破が実現すれば世界初の快挙になります。

■食料・燃料などの再補給なし、物資90kgを積み込んだソリを自力で曳き続ける■
今回の徒歩ルートは19世紀半ば、極地探検史上最大のなぞとされる、129人全員が行方を絶った英国フランクリン探検隊が辿ったとされるルートと同じです。同探検隊を追跡調査しているノンフィクションライター、角幡唯介(35歳、東京都豊島区在住)が同行、荻田と同様ソリによる自力歩行踏破に挑戦、同探検隊の足跡を辿ります。
二人は2月22日(火)夕刻、カナダに向け出発。現地で訓練、食料・燃料・テントなど必要物資の調達をした後、3月5日、カナダ・レゾリュートから最終目標地点・同国ベイカーレイクに向けて、1000kmに及ぶ徒歩踏破を開始します。3ヶ月間の日程で6月下旬完了を目指します。

■129人全員が行方を絶った英国フランクリン探検隊が辿ったルートと同じルートを歩く■
荻田は2000年の大学生時代、冒険家・大場満郎氏が企画した「北磁極冒険ウォーク」に参加、以来北極の魅力に取り付かれ、現在に至るまで合計10回の北極行を経験した、日本では数少ない北極専門探検家の1人です。最終目標は地球のてっぺん、北緯90度の「北極点」へたった一人で荷物を引いて、誰の力も借りず、途中で物資の再補給を受けることもなく到達することです。2012年、荻田はこの大偉業に挑戦します。今回の徒歩行はその前段の訓練、調査、経験などのために実施します。

■熊本大学、山形大学と協力、地球環境調査活動を行う■
荻田は10年間の北極踏査を通じ、地球温暖化による海氷溶解現象など環境汚染の実態を目の当たりに見つめてきました。このため熊本大学理学部と協力して、北極圏の降雪サンプル採取による水の安定同位体測定を実施したり、山形大学理学部と協力して降雪中に含まれる大気汚染物質量測定を行ったりして地球環境調査活動を行います。
 

■フランクリン探検隊の生き残りの知られざる痕跡が見つかる可能性も・・・・・■
角幡がその足跡を追跡している英国フランクリン探検隊とは、1845年に「幻の北西航路」の発見のために派遣された探検隊で、カナダ極北部のキングウイリアム島付近で129人の乗組員全員が死亡したとされ、その全容は明らかになっていません。

北西航路とはヨーロッパの国々が北極海付近に想定した商業航路のことです。大航海時代以降、スペイン、ポルトガルに遅れをとったイギリス、フランス、オランダなどの新興国は、東洋との貿易を進めるため北米大陸を北周りに航行する北西航路の発見に乗り出した。
そしてまさに北西航路の発見を期待されてイギリスを出発したのがフランクリン隊でした。しかし、途中で行方不明になり現在に至るまで、129人の詳しい消息はほとんど分かっていません。

角幡は今回の徒歩行を通じて北極の先住民族イヌイットの目撃証言などを基にフランクリン隊の最後の生き残りルートを想定し、その足跡を辿ろうと考えています。今回予定しているルートにはほとんど人間が訪れてこなかった地域も含まれます。寒冷で乾燥した気候に守られフランクリン隊の生き残りの知られざる痕跡が見つかる可能性もゼロではありません。

■自殺者年間超3万人時代に北極に体当たりで立ち向かう日本の若者を見てほしい■
海外留学を目指す若者の減少、海外赴任者の人材不足が問題になり、若者の挑戦心に翳りが見えるとされる日本の現代社会において、自分の体一つで厳しい大自然に分け入りそこから体当たりで何かを得ようとする人々は未だわずかながらに存在します。
21世紀の現代、日本では自殺者は年間3万人を超え、人が生きる力を失っていると見えます。「好奇心」という純粋な無意味さを根源に、日本の若者が北極という地球上まれに見る厳しい環境に体当たりで立ち向かう姿を多くの人々に知らしめ、そこから発信できるメッセージを世間一般の人々に届けたいと思います。

●日程(予定)
2月22日   日本出発 成田空港、エアカナダAC004便 19:00発
カナダ・エドモントンで準備、食料・装備・地図など買い出し
2月26日   エドモントン→オタワへ移動
2月27日   オタワ→イカルイットへ移動、準備、耐寒訓練
3月05日   イカルイット→レゾリュートへ移動、ソリ準備、パッキングなど
3月07日   ビーチェイ島に向けてスタート(ビーチェイ島にはフランクリン隊の3名の隊員
の墓が現在も残っている)
3月17日   レゾリュートに帰還 
3月18日   各種準備
3月19日   ジョアヘブンへスタート
5月07日  頃 ジョアヘブン到着(レゾリュートから50日)
5月15日  頃 ベイカーレイクに向けて出発 
6月15日  頃 到着 
6月20日  頃 日本帰国

●荻田泰永(おぎた・やすなが)の略歴
〒071-1261 北海道上川郡鷹栖町21-15-3
電話: e-mail:
北極冒険家。1977年神奈川県生まれ。33歳。2000年に冒険家・大場満郎氏の「北磁極を目指す冒険ウォーク」に参加。2002年レゾリュート~グリスフィヨルド単独徒歩行(500キロ)、2004 年グリーンランド内陸氷床国際犬ぞり縦断隊(2000キロ)、2010年レゾリュート~北磁極単独徒歩行(650キロ)など。ホームページhttp://www.ogita-exp.com/

●角幡唯介(かくはた・ゆうすけ)の略歴
〒171-0051 東京都豊島区長崎3-14-2-205  E-mail 
電話・ファクス  携帯 
ノンフィクションライター・探検家。元朝日新聞記者。1976年北海道生まれ。35歳。2002~03年、2009年、二度にわたりチベット・ツアンポー峡谷を単独で探検。その模様を書いた「空白の五マイル」(集英社)で第八回開高健ノンフィクション賞を受賞。2011年夏、ネパールの雪男捜索をルポした「雪男は向こうからやって来た」が集英社から発売される予定。
ブログ「ホ トケの顔も三度まで」http://blog.goo.ne.jp/bazoooka/

●内容・取材に関するお問い合わせは下記までお願いします。
※今回のプロジェクト全体及び荻田泰永について
2月22日  まで/荻田泰永本人 電話: メール:
      /角幡唯介本人 電話: メール:
2月23日  以降/
荻田泰永北極点事務局東京連絡所 (株式会社マイロプス内  担当・折坂聡彦)
電話:  FAX:     メール:
2月23日  以降の角幡唯介への取材依頼、お問い合わせも上記連絡先へお願いします

●荻田泰永北極点事務局
〒071-1261 北海道上川郡鷹栖町21-15-3
電話  FAX   e-mail:/


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