プレスリリース
2012年5月10日  
報道機関各位

「病理診断」の病理医を中心とする90人規模の大オーケストラ「日本病理医フィルハーモニー(JPP)」、第1回演奏会、華やかに開催される
横浜みなとみらいに響く感動の名曲に酔う1843人の患者・市民
「テノール歌手」米澤傑・鹿大教授の歌うプッチーニに万雷の拍手
被災者への祈り込め「フィンランディア」「G線上のアリア」演奏

音楽を愛する病理医を中心とするオーケストラ「日本病理医フィルハーモニー」(略称:JPP、団長:堤寛・藤田保健衛生大学医学部病理学教授、オーボエ担当)は、4月29日(日)夜、横浜みなとみらい大ホールで第1回演奏会を開催しました。1,800人を超えるほぼ満席の聴衆が気持ちのこもった演奏に酔いしれました。

■患者さんに顔の見える病理医の実践
昨年4月、(社)日本病理学会創立100周年を記念して、パシフィコ横浜で祝賀コンサートを開催する予定でしたが、東日本大震災のため自粛しました。今回、改めて、第101回日本病理学会総会最終日の翌日、単独で2時間にわたる演奏会を開催しました。

医学関連学会のオーケストラとしては最大の規模と思われる、総勢90人が参加しました(病理医42名、病理医家族4名、技師7名、学生6名、他科の医師16名、その他15名)。団員が日本全国に散らばっているため、まとまった練習がままならず苦労しましたが、数回の合宿と学会開催時の夜間練習で、当日を迎えました。

中心的に準備を進めてきた団長の堤寛氏は「この演奏会は、認知度がいまだ低い病理医の存在・仕事を広く患者・市民のみなさまに知っていただくために開催します。病理医からみなさまへのプレゼントであり、患者さんに顔の見える病理医のお披露目です。私たち医療者が、医療施設や学会の枠の外で、患者・市民患者向けに発信する社会活動である点もまた、従来にないユニークな特徴です」と語りました。

■医療者と患者・市民がいっしょにつくりあげたコンサート
この演奏会のもう一つの重要な意義は、JPPの演奏を裏で支えたのが、患者・市民だった点です。ロビーマネージャーは、病理医の裴英洙(ハイ・エイシュ)氏とNPO法人ぴあサポートわかば会の寺田佐代子氏(乳がん患者、愛知県在住)でした。近田真知子氏をはじめとする地球市民ACTかながわ(TPAK)の人たちやがん患者有志を含む30名に及ぶ無償のボランティアが、黙々とJPP演奏会をしっかり支えてくれました。

遠く、京都や滋賀からも、JPPのためにお手伝いいただけました。まさに、医療者と患者・市民が協働でつくりあげたコンサート。人と人のつながり、信頼関係が生み出した連鎖の結実だったと言えるのです。普段、顔を見せない病理医たちにとって、患者・市民を身近に感じることができた得難い体験ともなりました。

■メッセージ性の高い演奏 ~被災者への思い~
短い管弦楽曲中心の第一部とアリア中心の第二部が、二人の指揮者によって対照的に演奏されました。第一部のシベリウスの交響詩・フィンランディアは「祖国(フィンランド)の国難からの脱却に向けての讃歌」です。大震災からの復興を目指し、「頑張れニッポン!負けるなニッポン!」の心意気で演奏しました。バッハの「G線上のアリア」は、大震災でお亡くなりになられた方々のために謹んで演奏しました。

第二部では、病理医を勤める傍ら、国際的なテノール歌手でもある、米澤傑・鹿児島大学医学部教授が、オーケストラとともに「誰も寝てはならぬ」「妙なる調和」(プッチーニ)のアリアや「オーソレミオ」(ディ・カプア)を朗々と歌いあげ、拍手喝采を浴びました。また、「威風堂々」と「カバレリア・ルスティカーナ間奏曲」では、パイプオルガンがホールに鳴り響きました。

当日の演奏曲目は次の通りでした。
■第一部:指揮 秋山隆
☆ビゼー/『カルメン』組曲より4曲/闘牛士、前奏曲~アラゴネーズ、ハバネラ、ジプシーの踊り
☆シベリウス/交響詩『フィンランディア』
☆バッハ/G線上のアリア
☆エルガー/『威風堂々』第1番

■第二部:指揮 岡輝明
☆プッチーニ/誰も寝てはならぬ(トゥーランドット) 歌:米澤傑
☆マスカーニ/カバレリア・ルスティカーナ間奏曲
☆プッチーニ/妙なる調和(トスカ) 歌:米澤傑
☆ディ・カプア/オーソレミオ  歌:米澤傑
☆レハール/金と銀
☆レハール/メリーウィドウ・ワルツ  歌:米澤傑・米澤悦子
☆ワーグナー/『ニュールンベルグのマイスタージンガー』前奏曲

●内容・取材についての問い合わせは、直接下記までお願いします。
JPP団長(オーボエ担当)
堤 寛(藤田保健衛生大学医学部病理学教授)
〒470-1192 愛知県豊明市沓掛町田楽ヶ窪1-98
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