近年、「歩きスマホ」は都市部を中心に深刻な社会問題となっています。スマートフォンの普及により、私たちの生活は飛躍的に便利になった一方で、現実世界への注意力の低下や、他者との無意識的な衝突といった新たなリスクが生まれています。

また、情報過多の時代において、人と人との関係性や感覚的なつながりが希薄になっているという課題も顕在化しています。
このような背景から、歩きスマホ(スモンビー)という現象を単なるマナー問題としてではなく、現代社会の構造的な歪みとして捉え、表現として残すことを目的に本作の制作に至りました。


本作『スモンビー』は、都内IT企業に勤める青年カイトを主人公に、スマートフォン依存がもたらす心理的・社会的影響を描いた短編小説です。
SNSを駆使し、情報空間を自在に操ることで全能感に浸っていた主人公が、「歩きスマホ」という行為をきっかけに転落し、すべてを失う過程を通じて、現実との断絶と再接続を描いています。

本作品の大きな特徴は、小説単体で完結するのではなく、楽曲『SMOMBIE』およびミュージックビデオと連動した“三位一体型”の表現である点です。
読後に楽曲を聴くことで物語が完成する設計となっており、文学・音楽・映像が相互に補完し合う新しい体験を提供します。

また、本作は「誰もが加害者であり被害者になり得る」という視点を提示し、現代人にとって極めて身近でありながら見過ごされがちなリスクに対して、強い問題提起を行います。


今後は本作品を起点として、「スモンビー」というテーマを社会的なアクションへと拡張していく予定です。
具体的には、鉄道会社や自治体、企業との連携を通じた啓発プロジェクトや、都市における行動変容を測る実証実験としての展開を視野に入れています。

さらに、診断コンテンツやインスタレーション、広告展開などを通じて、個人が自らのスマートフォンとの関係性を見つめ直す機会を創出し、文化的アプローチから社会課題に働きかける新しいモデルの構築を目指します。

本作は単なるコンテンツではなく、「現代社会における人間の在り方」を問い直すための起点として、継続的に展開していきます。

・まえがき
スモンビー、それは、あなたのことを言っているのかもしれません。

由来はスマートフォン・ゾンビ。 スマホに夢中になり、前も確認せず歩いていく人々が街を埋め尽くす現象は、今や深刻な社会問題となっています。

デジタルの普及により、世の中が便利に、そして効率的に塗り替えられていく一方で、私たちの心を通わせる回路はどこか細く、乏しくなってきたような気がします。
この物語は、情報の檻を抜け出し、剥き出しの現実の温かさに気づいていく青年の記録です。

この一冊で空腹は満たせませんが、情報の過剰摂取でパンパンになった脳に、自分にとって本当に大切なものを見つける隙間ができるかもしれません。
そんな気づきを、あなたの日常に添えられたなら幸いです。
誰かにぶつかるだけの人生はもう終わりにしよう。

スモンビー短編小説


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2026年4月8日(水)  

NAO TOKYO