明星大学(東京都日野市 学長:冨樫伸)では、2025年12月6日(土)  に『希望と不安のはざまで』を上映します。今回の上映会は、「難民映画祭パートナーズ」上映会として、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の活動を支える日本の公式支援窓口である国連UNHCR協会の後援を受けて開催されます。「難民映画祭パートナーズ」は、国連UNHCR協会が主催し、映画を通して難民問題への理解とポジティブな共感を広げる難民映画祭の取り組みに賛同する学校や企業が行う上映イベントの総称です。

◆学生が映画に字幕をつけ、上映会も運営
明星大学人文学部 国際コミュニケーション学科では2014年より「映像翻訳」という通年の講義を行っています。4月から始まった前期講義では映画やテレビ番組における映像翻訳の手法を学び、夏休みの約8日間を使って本作『希望と不安のはざまで』の字幕翻訳に取り組みました。現役の映像翻訳者・映像翻訳ディレクターでもある講師陣の指導のもと、「映像翻訳」を履修している学生20名で分担して作成し、特別上映会の企画・運営・PRもすべて学生が担っています。
特別上映会では、作品上映に加えてNPO法人Stand with Syria Japan監事の山崎やよい氏をゲストに招き、映画の舞台となっているシリアの現状や社会的・政治的背景を解説いただくトークイベントも実施します。トークイベントの企画立案、上映会のパンフレットやチラシの作成、ウェブサイト制作も学生が中心になり行っています。また、学生がSNSも運営。随時、情報発信を行なっています。

◆参加学生の声:『希望と不安のはざまで』を見て感じたこと、映像翻訳に取り組んだ感想
「私はこの映画を通して、初めてシリアの状況を知りました。私たちが当たり前に穏やかに暮らしている中、シリア内では紛争が起き、大切な人を突然失うこともあります。大切な人が生きているかどうかも分からないという状況があることを本作で知り、目に見える情報の全てが衝撃的でした。ですが、シリアの人たちが皆「いつか日常は戻る」と希望を持ち、前向きに一から頑張ろうとする姿に心を打たれました。私も1日1日を大切に生きようと本作を見て感化されました。
本作の翻訳作業は、英語の字幕がついた映像を観て、同じグループのメンバーと日本語訳を考えるというものでした。英語字幕をベースにセリフの意味を汲み取り、適切な日本語表現を考えるのが難しかったです。なかなか自然な日本語表現が思いつかない時もありましたが、アイディアがパッと出てきた時はこの上ない喜びをグループの皆と感じることができました。「映像翻訳」というものはただ言葉を日本語に訳すのではなく、限られた秒数・指定された文字数に合わせ、かつ登場人物の性格にあった口調で表現することも大切なのだと学びました。」(明星大学3年 川村百合菜)

「本作を通して、アサド政権がこれまでにもたらしてきた多くの被害や沢山の命が奪われた現実、そして遺族の深い悲しみに触れ、自分の知識のなさを痛感しました。私が何気なく日常を過ごしている一方で、政権の圧力によって当たり前の生活すら奪われている人々がいるという現実を改めて考えさせられました。作品の中では、50年にわたる独裁政治が崩壊しますが、その後、国がどうなるかはまだ分かりません。今後、少しでもより良い方向へ進むことを願うのと同時に、私自身もこうした問題について理解を深めていきたいと感じました。
「映像翻訳」の授業では、字幕翻訳という貴重な経験を得ることができました。これまで何気なく観ていた翻訳の裏には、多くの工夫や努力、そして責任があることを実感しました。限られた言葉の中で、登場人物の感情や作品の世界観を正確に伝えることの難しさを感じる一方で、完成したときの達成感は大きかったです。また、翻訳を進める中で仲間と協力し、意見を交わしながら取り組むことで、言葉だけでなく人との関わりの大切さも学びました。この経験は私にとって大きな成長のきっかけとなりました。」(明星大学3年 關口蒼緒依)


12月6日(土)  開催の上映会に向け、現在トークイベントの準備や映像翻訳に関する発表の準備を進めています。本リリースも学生自身で作成しました。ぜひ多くの人に上映会にご参加いただきたいと思います。


【明星大学 特別上映会 開催概要】
上映作品: 『希望と不安のはざまで』
開催日時: 2025年12月6日(土)  
上映時間: 開場12:30、開演13:00、終演15:00(予定)
開催場所: 明星大学 日野キャンパス(東京都日野市)32号館 108教室
参加費: 無料(定員あり。要事前申し込み)
ゲスト:山崎やよい氏(NPO法人Stand with Syria Japan監事)
主催: 明星大学 国際コミュニケーション学科 「映像翻訳」
後援: 国連UNHCR協会

お申し込み方法:公式サイトの申し込みフォームよりお申し込みください。
公式サイト:https://www.jvtacademy.com/lmc/meisei/2025/
参加申し込み締め切り:2025年12月4日(木)  23時59分。

※教育関係者・教育行政関係者の方は下記まで直接お問い合わせください。
明星大学国際コミュニケーション学科「映像翻訳」講師/ 日本映像翻訳アカデミー 学校教育部門
桜井徹二 


◆トークゲスト
山崎やよい
NPO法人Stand with Syria Japan監事
「イブラ・ワ・ハイト」発起人
1989〜2011年までシリア・アレッポに在住。
元アレッポ博物館客員研究員、元アレッポ大学考古学科講師
その他、日本・シリア共同プロジェクト多数従事(アインダーラ遺跡修復プロジェクト現地マネジャー等)
アラビア語通訳・翻訳者

◆作品『希望と不安のはざまで』について
2024年12月  、反政府勢力によるダマスカス侵攻を契機にアサド大統領による独裁政権が崩壊し、シリアは新体制への移行という激動の時期を迎える。国外に逃れていた者の中には祖国への帰還を望む者もいれば、新政権の動向に恐怖を抱き、国外脱出を決意する者もいる。本作はこの歴史的な転換期の最初の瞬間を捉え、将来への期待と未知への恐怖に揺れるシリア国民の声を映し出す。大統領宮殿や悪名高いサイドナヤ刑務所といった旧体制の痕跡や新たな指導者の登場を描きながら、岐路に立つシリアの現状を独自の視点でとらえたドキュメンタリー。
(監督:ジャワル・ナディ、ヤエル・グジョン、アポリーヌ・コンヴァン/ドキュメンタリー/2024年原題 Syria: Between Hope and Fear/52分)


《本件に関するお問い合わせ先》
日本映像翻訳アカデミー株式会社(JVTA)
担当:桜井 TEL:  E-mail: