剣戟と戦略、異能の爆ぜる和風・戦記小説です。

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~あらすじ~
 14歳の碧(みどり)は幼くして朝廷により家族と村を奪われ、誰にも甘えられずに放浪してきた。食べるために戦った。限界だった。だが自分よりも熾烈な境遇を闘い抜き、最高位の武士となった義虎(よしとら)を知って奮起し、その旗下へ入隊する。
 国境の戦場で。しかも敗戦し落ち延びる。朝廷は義虎の責任を問い、兵権と領地を没収した。
 しかし《戦と謀(はかりごと)の鬼》を自称する義虎は、碧の宿命を看破した。
「かつて英雄《雷神》《風神》は《民が平和で自由な世》を志した。信念を違える朝廷に討ち取られた……君は風神の血を継いどる。義虎は雷神の業(わざ)を継いどる。そして朝廷は君が生きとると見抜きながら義虎と合流するを許した……もし闘いたくなったら、とことん付き合うよ」
 ここに、朝廷という人間社会へ牙をむく宿命と革命が動き出す。
 叛逆への道は長い。目の前にいる外敵へ手こずっている場合ではない。だが戦の天才たる敵将・孫悟空へ対し、非才の義虎はこれまで一度も勝てていない。
 宇宙、四神、六道……神々の競演するような異能が爆ぜるなかで接近戦しかできず、心を捨て修羅の場数を重ねに重ね、圧倒的な戦闘力、超人的な洞察力、絶対的な精神力を叩き上げた義虎は、この窮地を跳ねのけられるのか⁉ 碧は戦と謀を学んで強くなれるのか⁉
「トラになら甘えれる!」
 そして碧ら教え子をもった義虎は、唐突に宝石の授業をしたり、ぼろ屋敷を壊され断罪の寸劇をしたり、初めて見るケーキの宴に乱舞したりと見える景色が変わるなかで、捨てて久しい人間らしい心を取り戻していく……。
 これは、陰謀と因縁の渦巻く列強諸国に命を狙われながら、己の限界を遥かに凌駕する灼熱の《猿虎合戦》や《高句麗独立戦争》、《エジムト七国大戦》へ咆哮し力を磨き、来るべき叛逆の日を信じて暗躍し、時代の猛威を斬り伏せていく大河戦記である。

~書籍情報~
著者:高柳徹也 アメージング出版
【第一章 ホームレス大将軍は巫女を育てる】
2023年5月25日  より、書籍化販売しております。ご興味をもたれましたら、ぜひご確認ください。