近年日本各地に新たなフードバンク団体が次々と設立されていますが、日本国内のフードバンク活動に対する社会的な認知度や食品ロス、貧困問題への課題意識は未だに低いのが現状です。全国フードバンク推進協議会※1では、今後の国内フードバンク活動の発展には認知度の向上が重要であると考えております。また、各地のフードバンク団体は支援に必要な寄贈食品の確保という点においても共通の課題を抱えています。そのため、国内フードバンク活動の認知度の向上や食品ロス、貧困問題に対する啓発を目的に全国フードドライブキャンペーンを2017年12月1日  から2018年1月31日  までの期間で実施します。

日本国内では、まだ食べられるのに廃棄される食品(食品ロス)は年間621万トンと推計されています。その内一般家庭から出る食品ロスは約282万トンと全体の約半分を占めており、これは日本人1人当たりに換算すると、年間164杯分のご飯を捨てていることになります。その一方で子どもの貧困率は2015年時点で13.9%、実に7人に1人の子どもが貧困状態で暮らしています。

まだ食べられる食品が大量に捨てられている一方で、1日の内、十分な栄養が採れる食事が給食だけという子どもがたくさんいます。このような食の不均衡を解決するために、食品ロスを福祉に役立てる活動として全国各地でフードバンク活動※2が行われています。

日本国内では約80の団体が活動しておりフードバンクに対する社会的なニーズは増加し続けている一方で、各地のフードバンク団体では、支援に必要な食品が不足しています。そのため、全国フードバンク推進協議会では不足する支援用食品の確保、フードバンク活動や貧困問題に対する認知度の向上を目的として、毎年12月から1月にかけて全国フードドライブキャンペーンを開催します。

全国フードドライブキャンペーンの開催は今回で3回目となり、今年は全国フードバンク推進協議会加盟フードバンク10団体が参加し、キャンペーン期間中に各団体ごとに拠点※3と期間を設け(現在111ヶ所、順次追加中)フードドライブ※4が実施されます。集められた食品はフードバンク団体から社会福祉施設や生活困窮者を支援する団体、食料の支援が必要なひとり親等の困窮世帯へ提供されます。

引き続き、全国フードバンク推進協議会では、食品ロスや子どもの貧困問題に対する認知度の向上、国内フードバンク活動の推進に積極的に取り組んで参ります。

※1 全国フードバンク推進協議会概要
団 体 名:全国フードバンク推進協議会
代 表 者:米山けい子
設 立 年:2015年11月13日  
所 在 地:東京小金井市梶野町1-2-36 東小金井事業創造センターKO-TO内
HP:http://www.fb-kyougikai.net/
事業内容:政策提言活動、広報活動、フードバンク団体へのノウハウ支援、食品寄贈の仲介
加盟団体:2017年11月  現在24のフードバンク団体が加盟

※2 フードバンク活動とは
一般家庭からの余剰食品や、まだ安全に食べられるのに包装の印字ミスや、外箱の変形などで通常の販売ができない食品を企業から引き取り、福祉団体や食品の支援を必要とする生活困窮世帯に無償で提供する活動。

※3 参加団体、及び拠点情報
参加団体、またフードドライブが実施される拠点の情報はこちらから。(弊会ホームページ)
http://www.fb-kyougikai.net/food-drive-campaign

※4 フードドライブとは
フードドライブとは、英語で food(たべもの)、drive(運動)で、「食べ物を集める運動」という意味です。一般家庭にある食品を学校や職場、グループ等、様々な機関・団体が拠点となり食品を集め、集まった食品をフードバンク団体や福祉施設等に寄付する運動を指します