フルバックアップ時間を2週間から3日に短縮。SSDをキャッシュとして利用するFlash Pool機能でストレージ性能を15倍に向上


ITインフラのソリューション・ディストリビューターである株式会社ネットワールド(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 森田 晶一)は、千葉県市川市の庁内業務サーバのバックアップ運用改善プロジェクトにおいて、ネットワールドが提供するCommVault社のデータ統合管理ツール「Simpana」ならびにNetApp社のネットワークストレージ「NetApp FAS3250」が採用されたことを発表します。

データ統合管理ツール「Simpana」は、データ保護、アーカイブ、レプリケーションなどの多彩な機能を単一のプラットフォームで実現する製品で、VMwareやNetAppストレージとの親和性も高く、柔軟な連携機能も備わっています。
新しいバックアップシステムでは、1次バックアップをNetAppの「Snapshot」機能で取得し、2次バックアップを「Simpana」によるD2Dバックアップで実施し、さらに磁気テープへバックアップをする運用に変更しました。
これにより、約2週間を要していたフルバックアップが約3日間で完了するという大きな時間短縮効果が得られました。また、「Simpana」の重複排除機能による重複排除率は約76%で、2世代分のバックアップ実容量が31.40TBから7.62TBに削減されました。

さらに、SSDをキャッシュとして利用するNetAppの「Flash Pool」機能により、性能は以前に比べて約15倍向上し、レスポンスやファイルアクセスが高速化されました。
システムの構築は、ネットワールドのパートナーである株式会社大崎コンピュータエンヂニアリング(本社:東京都品川区)が担当し、ネットワールドの幅広い取扱い製品と技術サポート力が高く評価されました。


◆ 導入の背景
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2014年に市政施行80周年を迎える千葉県市川市は、省エネ/省スペース化やコスト削減、システムやネットワークの安定稼動を重視し、数年前から庁内業務サーバの仮想化を進めてきました。
従来のデータのバックアップは、仮想化基盤用とファイルサーバ用に2台のストレージを置き、ストレージの「Snapshot」機能を利用して1次バックアップを取得すると共に、バックアップソフトウェアを利用して磁気テープへのフルバックアップを行っていました。そのためファイルサーバに蓄積される業務データの容量が増え続け、バックアップ対象のデータ容量があまりに大きくなり、フルバックアップに2週間近く掛かるような状況でした。
東日本大震災を機に、BCP(事業継続計画)強化が重要な課題と認識し、重要業務データの確実かつ効率的な保全を実現するためバックアップ運用改善に着手し、入札の結果、ネットワールドが提供するCommVault社のデータ統合管理ツール「Simpana」、ならびにNetApp社のネットワークストレージ「NetApp FAS3250」が採用されました。


◆ 新システムの概要と導入成果
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今回新たに構築されたシステムでは、従来2台の装置を利用していたストレージを「NetApp FAS3250」に統合しました。
データ統合管理ツール「Simpana」は、データ保護、アーカイブ、レプリケーションなどの多彩な機能を単一のプラットフォームで実現する製品で、複数のツールを利用して行っていた業務をシンプルに統合できる上に、VMwareや、NetAppストレージとの親和性も非常に高く、柔軟な連携機能も備わっています。また、「Simpana」には高度な重複排除機能に加えて、重複排除後の差分ブロックのみを転送する「DASH Copy」、重複排除技術を利用して高速に合成フルバックアップを作成する「DASH Full」など、お客様の課題を効果的に解消する様々な機能を搭載しています。

● 仮想化基盤のバックアップ
「Simpana」の「IntelliSnap」機能とNetAppの「Snapshot」機能を連携させて日次バックアップを取得しています。また、VMwareのバックアップ用APIである「vStorage API for Data Protection」と連携させて、磁気テープへの週次バックアップを行っています。従来は仮想環境のバックアップにNDMP(Network Data Management Protocol)を利用していたため、不要な仮想サーバまで含めて丸ごとバックアップしており、バックアップ容量の増大や、仮想サーバ単位でのリストアが行えないなどの問題を抱えていました。新しい環境では、仮想サーバ単位でのバックアップ/リストアが行えるようになり、さらに、バックアップ元以外の他のストレージへリストアすることも可能になりました。

● ファイルサーバのバックアップ
1次バックアップをNetAppの「Snapshot」で取得し、その後の2次バックアップを「Simpana」の重複排除機能、およびDASH Full機能によるD2Dバックアップで実施し、さらに磁気テープへのバックアップを行う運用に変更しました。これにより、これまで約2週間を要していたフルバックアップが約3日間で完了するという大きな時間短縮効果を挙げています。D2Dバックアップまでなら、わずか12時間で完了します。
データ容量の削減効果も大きく、重複排除率は約76%にも達し、2世代分のバックアップ実容量は従来の31.40TBから7.62TBに削減されました。

● 運用管理の効率化とシステム性能向上
従来はストレージ側の「Snapshot」機能とバックアップソフトの連携が行えなかったため、時間をずらしてジョブを走らせるなどの工夫が必要でしたが、新しい環境では、Snapshotからテープバックアップまですべての作業を「Simpana」上で一元管理できるため、バックアップ運用の自動化、省力化が図れています。
SSDをキャッシュとして利用するNetAppの「Flash Pool」機能を導入していますが、性能は以前に比べて約15倍向上し、レスポンスやファイルアクセスが高速化されたおかげで、より快適にシステムを利用できるようになりました。

新しいバックアップ環境を実現したことで、万一の事態が生じた際にも、重要な業務データが確実に、かつ迅速に復旧できるBCPの強化も実現しました。また、今後は、庁内の他課のシステムが仮想化基盤に集約されるケースも増えると考えられることから、「Simpana」のマルチテナント機能なども活用し、より安全・安心な情報インフラを目指していく計画です。