2013年11月29日(金)  

報道関係各位
プレスリリース

全国柔道整復師で構成する「社団JB日本接骨師会」(東京都中野区)
改正なしで77年存続する「柔道整復師施術料療養費請求・受領委任払制度」運用改善へ画期的な第一歩踏み出す
11月1日  からJB接骨院での施術について、新基準による「類似負傷用施術内容情報提供書」を添付したレセプトを保険者へ提出
一部柔道整復師による「療養費不正・不当・疑惑請求」根絶目指す
1年間以上の実証実験を経て、2~3年後全国展開を目指す

全国の柔道整復師で構成する「社団JB日本接骨師会」(東京都中野区弥生町、会長:五十嵐仁)は、11月1日  以降、直営のJB接骨院(院長:小林勉)で施術を受ける患者について、新基準による「類似負傷施術録」「治療計画書」に基づき施術、治療し、その内容を明記した「類似負傷用施術内容情報提供書」をレセプトに添付、保険者に提出することになりました。

これは柔道整復師界では従来にはない新しい試みで、本基準による柔道整復師に対する保険者からの最初の支払いは国保・協会けんぽの場合、平成26年3月末から始まります(健康保険組合の場合、同年2月末)。

■3年9カ月、全国の柔道整復師、患者、保険者対象に会議・説明会開催、改善案を提案、その成果を踏まえて改革に踏み切る

JB接骨院での1年間以上の実証実験で問題・課題を洗い出し、解決した上で、2~3年後、全国の接骨院での展開を目指します。柔道整復師界、保険者、患者、官庁などステークホルダーは、業界初の試みに大きな関心示しています。

現基準の曖昧さを新基準により解消します。一部柔道整復師による「療養費不正・不当・疑惑請求」などにより見直し・改善が求められていた現行「柔道整復師施術料療養費請求・受領委任払制度」運用改善の第一歩を踏み出しました。大きな社会問題にまで発展した「不正・不当・疑惑請求」の根絶を目指します。併せて柔整師の質の向上を図り、柔整療養費制度の信頼や保険者の審査合理化にもつなげます。77年間ほとんど改正なしで存続してきた現行の「柔道整復師施術料療養費請求・受領委任払制度」に「風穴」を開けるものと期待されています。

■新基準による柔道整復師への保険者からの最初の支払い、
平成26年3月末(国保・協会けんぽの場合)
請求から支払いまでの流れは下記の通りです。

①健康保険組合の場合
患者来院→治療(11月)→JB接骨院、支給申請書作成、社団JBへ発送(12/10)→JBでコンピュータ審査→JBより全国の保険者へ発送(1/10)→保険者審査→保険者よりJBへ支払(2/25)→JBより会員接骨師へ支払(2月末)

②国保・協会けんぽの場合
患者来院→治療(11月)→JB接骨院、支給申請書作成、JBへ発送(12/10)→JBでコンピュータ審査→JBより審査会へ発送(1/10)→(国保連・協会けんぽ)審査会にて審査、保険者へ(2/10)→保険者にて最終審査→保険者よりJBへ支払(3月中旬)→JBより会員へ支払(3月末)

社団JB及びそのグループの“患者と柔整師の会”(患者代表:今城康夫、柔整師代表:荻原啓二)は平成22年2月から、全国の柔道整復師、患者、保険者を対象に、数多くの会議、研修会を開催、現行制度の改善案の提案、説明会を実施してきました。患者会議8回、柔整師会議及び勉強会15回、保険者会議及び勉強会20回に及びました。

加えて事務局員が全国保険者に対し趣旨説明のための訪問も実施、その件数が2,236件、全体の44.4%に達し、保険者種別で見ると、健康保険組合1,294件、90.9%と高い訪問比率(平成25年4月現在)を示しました。このような経過、成果を踏まえて今回、改革実施の第一歩に踏み切りました。今後、他の大手・中小業界団体、個人請求柔整師などへ参加をアピールします。

【現行・柔道整復師施術料療養費請求・受領委任払制度の歴史的背景と問題点】

健康保険法では、医療機関の窓口で健康保険証を提示して診療を受けることが原則ですが、通常、整骨院・接骨院で健康保険を利用しての施術は「療養費扱い」となります。療養費は、本来患者が費用の全額を支払った後、自ら保険者へ請求をおこない支給を受ける「償還払い」が原則ですが、柔道整復については、患者が自己負担分を柔道整復師に支払い、柔道整復師が患者に代わって残りの費用を保険者に請求する「受領委任払」という例外的な取扱いが認められています。

柔道整復師が患者に代わって保険請求を行うため、施術を受ける時には、支給申請書に患者のサインをもらうことが必要となります。委任方法は「柔道整復施術療養費支給申請書」(レセプト用紙)に患者が署名するやり方です。

柔道整復師の急増と療養費支給申請書の増加などにより、柔道整復師による療養費の不正・不当な請求が増加しています。施術力の低下という問題も派生しています。

これは患者、国民に迷惑をかけ、ひいては業界全体の存続にかかわる重大問題との認識に立ち、社団JBと“患者と柔整師の会”は3年6か月前から、改革のための改善策の検討を行ってきました。現行の柔道整復師療養費・受領委任払制度を抜本的に見直すものです。現行制度の基本的な枠組み改善とそれに伴う適切な運用を喫緊に行う必要があるとの認識によります。

これまで保険者、患者、柔道整復師の意見を聞きながら、3回にわたり改正試案を作成、行政・保険者・患者・柔道整復師などに説明、理解を求めてきました。特に大きな問題と各方面から指摘されている「審査業務の一本化」「部位転がし(負傷名の変更)」「保険者からの患者照会」などについては一刻も早く解決すべきと考えて、対応策を議論してきました。

社団JB日本接骨師会最高顧問、本多清二氏(弁護士)によると「現在の療養費受領委任払い制度は昭和11年、始まった。これは例外措置として取り入れられたのだが、平成25年の現在に至るまで、わずかの改正があった程度で77年間、延々と存続している。この制度に柔整師、保険者、患者が長い間、悩まされてきた」と、長期にわたり本格的な見直し・改正がなかった同制度の歴史的背景を語っています。

さらに本多最高顧問によると「これまで見直しのチャンスはあったが、それを逃してしまった」として、『昭和36年、国民皆保険制度が発足、「誰でも」「いつでも」国民が平等に医療を受けられるようになった時、この変則的な療養費受領委任払いをどのようにするか、議論をきちんとすべきだったのに、全くネグレクト(無視)され、問題を抱えたま存続しました』と説明しています。

その後、福岡地裁の判決の結果、柔整師養成機関がどんどん増え、柔整師数の増加、一部柔整師による療養費不正請求・疑惑請求などの問題が吹きだし、柔整師業界を見る社会の目が大変厳しくなったとして、改革・見直しに着手した経緯を話しました。

【社団JB日本接骨師会のプロフィール】
病気や怪我の治療処置を「手当て」と言います。人が本能的に手を痛いところに当てたことから始まったと言われます。 手技療法は、人と人との触れ合う最も自然な治療です。安心・安全が治療の基本です。もっとも基本的な医療が手当てによる治療です。現代の柔道整復診療は、このような人と人との“絆”を大切にしながら現代医療技術を導入した自然と科学を総合した医療を持っています。

徒手治療は、修練を積んだ高度な徒手整復技術によってもたらされます。人間疎外が憂慮されている現状にあって注目されるべきものであります。 私たちは多くの人々の健康を願いその予防と回復を求めてヒューマニティーな医療環境を築くことに努めています。

■本部:〒164-0013 東京都中野区弥生町1-13-7
■会長:五十嵐仁
■設立:昭和57年2月11日
■TEL:
■ FAX:
■ URL:http://www.pb-jb.org/
■ E-mail:

【患者と柔整師の会のプロフィール】

超高齢化時代の到来を目前に控え、多くの患者は柔道整復診療で痛み、機能障害などから解放されたい、と切に希望しています。複数の重大問題が包含される現行の柔道整復師療養費受領委任払制度を抜本的に見直すことを目的に、平成22年2月、全国の柔道整復師と患者の有志が中心となり設立されました。

現在、会員数は約7,200人に達しました。以来3年9カ月、保険者、柔道整復師、患者の意見を数多く聴取して、改革案を3回にわたり作成、関係者に説明の努力を重ねました。今回、6月6日  総括会議を開催、これまでの議論、審議を通じて作成した完成改革案を発表しました。

■設立 平成22年2月
■事務局 〒108-0074 東京都港区高輪2-16-49 カムロ高輪ビル2F 
■TEL&FAX     
■URL http://pb-jb.org/
■E-mail   
■会員数 約7,200人
■問い合わせ:社団JB日本接骨師会 担当:金城
       〒164-0013 東京都中野区弥生町1-13-7
       TEL: FAX:
■代表 患者代表 今城康夫 柔整師代表 荻原啓二

内容、取材に関するお問い合わせは下記までお願いします。
社団JB日本接骨師会 担当:金城弘恵
TEL 03(5388)7211
FAX 03(5388)7231
E-mail

資料1:類似負傷用施術内容情報提供書
資料2:治療計画書